お知らせ

羽後町で活躍する若い世代の活動と夢

羽後町に移住し、地域おこし協力隊として活躍している赤石さんと「yado&kissa UGO HUB」をオープンした村岡さん。地域の課題に向き合う「NPO法人みらいの学校」事務局長の佐藤さん。それぞれの活動や思いを伺いました

 [490KB]

自分の経験を発信!先駆者として活躍を

西馬音内盆踊りで有名な秋田県羽後町。「緑と踊りと雪の町」というキャッチコピーの通り、 周囲を山に囲まれた県内屈指の豪雪地帯。それ故に神秘的で、希少価値の高い農作物や文化が生まれ育つ場所だと感じます。羽後町の魅力に魅了され続けている3名にお話を伺いました。

 [311KB]
羽後町地域おこし協力隊 赤石朝美さん。神奈川県や茨城県、千葉県にも移住経験あり
 [251KB]
羽後町の学童保育の子供たちにアロマのワークショップを開催。羽後町の素晴らしい香りやアロマの薬理作用を伝えている

赤石朝美さんは羽後町地域おこし協力隊として活躍し3年目を迎えました。東京都内でアロマオイルの販売やアロマテラピーのサロンを自身で起業した赤石さん。東京で順調にキャリアを積んでいた赤石さんでしたが、あるときたまたま見かけた羽後町の地域おこし協力隊の募集に強い魅力を感じ、急きょ羽後町への移住を決めたのだそう。一体なぜ、東京での生活をリセットしてまで羽後町に移り住んだのか、お話を伺いました。

両親の実家が羽後町で親戚と久しぶりに再会した際「大好きな羽後町のお役に立てることがあればとお話したことで、募集情報をいただいたのがきっかけでした。当時、仕事が順調でしたので悩みましたが、関東在住の両親が元気なうちに挑戦しようと決断しました。実は前々から、羽後町をイメージした香りで、地域おこし発展に貢献したいという密かな思いもあったので、まずは面接を受けてみようという気持ちでした」

 [79KB]
羽後産のクロモジを蒸留している様子。羽後町や西馬音内盆踊りをイメージしてアロマオイルの開発をしている
 [626KB]
今世界でも人気上昇中のクロモジ。採取は自ら行う。「オリジナル精油でファンを増やし、羽後アロマで地域おこしが夢」

これからの夢は「町の人へ、心身の健康の貢献」と言い切る赤石さん。
「アロマを通じて健康や自然環境に意識を向けてもらうことを目標としています。薬や西洋医学、除草剤や殺虫剤などケミカルなものではなく、アロマをはじめ体に良い食材も取り入れて病気にならないような生活習慣を意識して欲しいと願っています」

移住という大きな決断をした赤石さんですが、ある親戚からは「豪雪地域だから朝ちゃんは絶対に住めない。遊びに来るのと住むのとでは違うんだ!」と言われ、突き放されたような寂しい思いをしたといいます。その時を振り返り赤石さんは「田舎は大雪などの不便さがあっても、山々は美しくその価値もまた素晴らしいです。そうした自然の価値を高め、再注目させるのも私の役目だと今は思っています。都会での満員電車や時間に追われる生活には心がすり減りましたが、常に一流のものたちが身近にあり自分を高められるところが都会の良いところ。田舎と都会、それぞれの良さを十分に理解して、今は羽後町での生活を満喫しています」と教えてくれました。

 [307KB]
お寺でワークショップを開催。虫除けスプレーや世界にひとつだけのオイルフレグランスなどを作ることも

 [307KB]
お寺で行っているヨガの様子。赤石さんの作った精油を焚いて香りの演出も

最後に移住を考えている方に一言メッセージをいただきました。
「移住という生き方が思い浮かんだら、その思いと向き合ってほしい。人生を変えるには環境を変えなければ変わらない、とも言われていますね。また、自分の経験やアイデアが移住先では斬新に映り先駆者として活躍できることも。応援してくれる方も多いですよ。余談ですが、私は移住してから羽後町でご縁があり、なんと結婚もしました。一生独身でいるつもりだったのに人生は分からないものですね」

 [299KB]
杉やヒノキ系、クロモジの他に珍しい香りを日々探索。蒸留する植物が最良の香りと成分を発揮する時期を通年研究中
 [357KB]
羽後町地域おこし協力隊は月刊新聞「へちかち」の発行・配布も大切なお仕事。赤石さんはアロマコラムも担当

赤石さんの決断は、大好きなアロマを軸にのびのびお仕事されている今に結びついていたのですね。
次のページでは、羽後町に移住して新しいビジネスをスタートした村岡悠司さんをご紹介します。

飲食・宿泊・レンタル空間「UGO HUB」

 [275KB]
yado&kissa UGO HUBオーナーの村岡悠司さんと愛犬SUN(秋田犬・オス)。めっちゃ仲良し♡

 [405KB]
yado&kissa UGO HUB外観。「HUB」の働きのように複数のネットワークを集約する場所に成長中

2020年4月にオープンした yado&kissa UGO HUB。オーナーの村岡悠司さんは現在38歳。大学から13年間東京都内で過ごし、2015年に秋田市にあるインバウンド専門旅行企画会社へ就職。仕事で頻繁に羽後町へ通うようになり羽後町の魅力に引き込まれていきます。2017年に羽後町に移り住み、2020年に飲食・宿泊・レンタル空間が一体となった「UGO HUB」をオープンしました。

 [354KB]
yado&kissa UGO HUBカウンター。1階はレンタルスペースと飲食スペース
 [299KB]
レンタルスペースで2020年7月に開催したインドネシア料理や文化を楽しむイベント。出店者同士の横の繋がりが生まれ、まさにHUB!

村岡さんに羽後町に移住した理由を尋ねました。
「理由はたくさんありますが、かやぶき山荘 格山の阿部さん一家の存在が大きいです。前職で留学生と一緒に何度もおじゃましたのですが、留学生との時間をとても楽しんでくれる一家で、彼らの近くで本気で仕事をしたいと思いました。当時は秋田市から90分という物理的な距離もあったので、本気度を示したいという思いもあり2017年に移住。羽後町のノリも好きで、未知のものに対して“やってみるか!”と言ってくれる人が相対的に多いように感じます」

人との出会いは移住の大きな理由になると教えてくれた村岡さん。飲食・宿泊・レンタル空間が一体となった「UGO HUB」の構想にも、出会いを大切にする村岡さんの想いが感じられます。

 [346KB]
月に数回レンタルスペースを利用して出店する「蓮珈琲」さん。手網で焙煎するのがこだわり。不定期に出店するお店が多数ありどれも盛況

 [273KB]
レンタルスペースで2021年2月に行われた「沼山大根短編映画上映会」の様子。伝統野菜の復活にかける人々を知り応援する時間になった

「移住」を考えるより前に自分の幸福度を考え行動することが大切だと話す村岡さん。
「日常生活の居住満足度(幸福度)をどれだけ高めることができるかが大切。私自身は多拠点居住を実現したいと思っています。羽後町を含む国内2拠点、海外1拠点で生活できるようになりたいので、そのモデルケースになればと思っています」

 [457KB]
UGO HUB1周年イベントの様子。「日々楽しんで生きている大人が周りにどれだけいるかが子供にとっては大切なこと」と村岡さん

 [316KB]
2階は宿泊スペース。村岡さんは「お気に入りの田舎を見つけるため、HafHやHOSTEL PASSなども利用し地方に住む体験をしてみて」と話す

オープンして2年目の「UGO HUB」はレンタルスペースが好評。今では持ち込み企画が9割以上。地域に住む人たちがイベントや出店を企画しスペースを最大限利用しています。地域の活性化に繋がるこの活動は、地方都市が成長・持続するための効果的な機能として広がっていきそうです。
羽後町への移住を考えている方にはぜひ一度訪れて欲しいスポットUGO HUB。取材当日も移住してきた方がランチに訪れ、のんびり村岡さんとおしゃべりしていました。どこで生きるかも大事ですが、誰の近くで何をして生きるかという選択も大切であると感じました。

 [241KB]
レンタルスペースで2020年8月に開催した湯沢市の焼き菓子屋Mlab.さんとパン工房そらさんのコラボイベントの様子

 [279KB]
取材時、ランチにいただいた「鯖のオイル漬けパスタ(800円 / 税込)」。暑い夏でもスルスルいけちゃうさっぱり味
【UGO HUB】

住所 秋田県雄勝郡羽後町西馬音内字本町19
営業時間 レンタルスペース/11:00~最大16:00 18:00~最大22:00 ※出店者により異なります
     宿泊/IN16:00~21:00、OUT10:00 喫茶/昼11:00~16:00 夜18:00~22:00
     ※喫茶スペースがレンタルされている場合はお休みです
定休日 火曜・水曜
電話 090-7428-8697 

仲間と羽後町をコーディネート

 [790KB]
羽後町の情報満載のニュースサイトUGONEWS(ウゴニュー)。NPO法人みらいの学校が運営している

 [363KB]
遊び(TOY)から仕事や社会を体感する小学生しごと体験イベント「しごとーいうご」を主催。今年は8月21日に開催

羽後町には「うごまち未来の学校」という地方創生プロジェクトがあります。誰もが参加できる学びや体験のチャンスを作ることが目的で、例えば、小中高生を対象としたキャリア教育、地域の魅力を全国に発信するメディアサイト「UGONEWS(ウゴニュー)」の運営、地域の課題解決に向けた事業など、その取り組み内容は多岐にわたります。この活動を主に担っているのが羽後町に拠点を置く「NPO法人みらいの学校」です。羽後町の未来をつくる人と場所を育てるのがミッションで、羽後町に移住するならぜひ知っておきたい団体です。また、地域おこし協力隊のサポートも行っていて、 事務局長の佐藤マサカズさんが、その取り組みについて教えてくれました。

 [408KB]
小学生が職業体験を通して社会や経済の仕組みついて学ぶ。地域のボランティアスタッフを募るなど、運営母体として活躍
 [292KB]
NPO法人みらいの学校 事務局長の佐藤マサカズさん。

羽後町の未来をつくる人と場所を育てるのがミッションという団体とあって、羽後町に移住するならぜひ知っておきたい団体です。また、この団体は、地域おこし協力隊のサポートも実施しています。

「羽後町では 協力隊に応募される前に羽後町を知ってもらうための“お試し協力隊”という取り組みがあります。2泊3日羽後町に触れて感じるプログラムで、羽後町初心者の方におすすめです。また、2週間~3ヶ月ミッションに参画して自分の地域おこし協力隊としての腕試しをするインターンシップもあり、移住後の生活がスムーズにスタートできるさまざまなサポートを実施しています」

 [307KB]
地域おこし協力隊メンバーと安藤豊 町長(町長は前列左から2番目)
 [395KB]
慶應義塾大学長谷部葉子研究会との協働プロジェクト「羽後高校魅力化による生徒数確保」。高校生自身が住み続けたいまちづくりを考える取り組み

このようにNPO法人みらいの学校は地域とソトをつなぐ「中間支援組織(地域コーディネート機能)」としての役割を持つ団体です。新しいモノや外からの情報を羽後町と合うようにコーディネートするのが得意なので、都内の企業や団体とのコラボも盛んです。
佐藤さんは「羽後町にはソトから来た人たちの活動をおもしろがってくれる方がたくさんいます。町長も、若い人たちが10年後を描いてまちづくりをしなさいとお話してくれるので、活動しやすい町だと思います」と話してくれました。

 [178KB]
サッポロビール(株)は、おむすびに合うビール「和musubi」発売記念に、生産地である羽後町とライブで繋いだ商品発表会(YouTube配信)を行った

 [66KB]
羽後町のお米を使った都内企業とのコラボプロジェクトがスタート。NPO法人みらいの学校の活動の一環。

また「地域おこし協力隊や移住者などを含む多様なプレーヤーが仲間として増えたら嬉しい。仲間たちと達成感や喜びを共有したいので、色んな方とつながりたいです」と、地域おこしへの思いを語ってくれました。

行政と一体となって、魅力的な取り組みを形にしているみらいの学校。こうした団体を頼りに、羽後町への移住、地域おこし協力隊、関係人口など多様な関わり方を検討してみてはいかがでしょうか。

●羽後町地域おこし協力隊募集情報はコチラ
https://peraichi.com/landing_pages/view/ugo-erea-supporter2021

●羽後町の地域おこし協力隊Facebookはコチラ
https://www.a-iju.jp/recruits/p1550
https://www.facebook.com/ugohechikachi

●羽後町の情報満載「ウゴニュー」
https://ugonews.jp/

【NPO法人 みらいの学校】

住所 秋田県雄勝郡羽後町西馬音内裏町71
電話 0183-56-7192

最後のページは羽後町の魅力をもう少しだけご紹介します!

羽後町の「大好き」を少しだけご紹介!

羽後町の魅力はWebサイトを検索するとたくさん表示されますが、あえてこの場で少しだけご紹介させてください。日本三大盆踊りである「西馬音内盆踊り」はすでに世界的にもファンが多く、羽後町殿堂入りの魅力No.1ですが、今回ご紹介した皆さんから伺った、住んでいるからこそわかる情報をプラスして、ご紹介します。季節ごとに景色を変える羽後町に、ぜひ何度も訪れて欲しい(そして住みたい町になって欲しい)という願いを込めて。

 [483KB]
「編み笠」の形が特徴的で、顔が見えないよう目深に被って踊る。幻想的で神秘的な空気に一体が包まれる
 [2376KB]
うご牛まつりで購入したお肉を、その場で焼いて食べられる。スリッパ飛ばし大会やイベントもあり家族みんなで楽しめる

うご牛が美味しい羽後町。毎年9月第1日曜に、五輪坂温泉としとらんどで行われる「うご牛まつり」は住人ならずともチェックしたいイベントです。毎年数量限定のうご牛ステーキを求めて行列が出来るほど人気な理由はその価格!「都会で食べたら一体いくらになるのかしら?」と毎年同じ会話を繰り返しながら、モリモリうご牛を食べられる魅力的なイベントです。

●羽後町HP うご牛まつり情報はコチラ
https://www.town.ugo.lg.jp/sightseeing/detail.html?id=350&category_id=133

 [315KB]
羽後町産米の稲わらを活用する、昔ながらの循環農法から生まれたブランド牛「うご牛」

五輪坂温泉としとらんどは羽後町にある天然温泉レジャーランド。温泉や景色も素晴らしく、宿泊も可能。アウトドア気分で本格グランピングを愉しめるログハウスも。こちらの温泉施設内にあるレストランでは通年うご牛メニューが食べられます。年間出荷頭数が100頭程度という超希少な黒毛和牛は町自慢のお肉です。(写真のステーキはうご牛ですがイメージです)

【五輪坂温泉としとらんど】

住所 秋田県雄勝郡羽後町足田字五輪坂下43-4
営業時間 10:00~21:00
定休日 なし
電話 0183-62-4126

五輪坂温泉としとらんどから車で約3分のところにある「道の駅うご 端縫いの郷」。

 [185KB]
2016年にオープンした道の駅うご「端縫いの郷(はぬいのさと)」。2019年には来場者200万人達成!

 [499KB]
立ち寄る度に旬の野菜を買ってしまう人続出。うご牛や加工品も豊富

 野菜などの旬が並ぶ直売所のほかお食事処も。訪れると絶対食べてしまうのが「端縫いダイニング」の名物冷やがけそば。そして、「うご・じぇら」のジェラート。五葉豆など旬の珍しい味が豊富でとっても美味しいのです。

そばと言えば、「西馬音内そは」もぜひ味わって欲しい一品です。その歴史は古く、町にはいくつものそば屋が点在し、つなぎに布海苔を使い独特なコシがあるのが特徴。代表的な「冷やがけ」 を始め地元ではもちろん、観光客にも親しまれています。

【西馬音内そば(羽後町観光物産協会)】

https://kanko1.wixsite.com/mysite/nishimonaisoba

 [267KB]
珍しい味を見つけると食べずにはいられない「うご・じぇら」のジェラート
 [292KB]
羽後町で受け継がれてきたそばの食文化。各店のこだわりの味を食べ歩きするのも楽しい

【道の駅うご「端縫いの郷」】

住所 秋田県雄勝郡羽後町西馬音内中野200
営業時間 9:00~18:00
電話 0183-56-6128

今回取材した方々に教えていただいたおすすめのスポットがまだまだあります。ぜひHPをのぞいてみてください。

【ミケーネ(本屋)】

https://ugonews.jp/special/2019-10-09_01/
「何かあるとここに来る」というUGO HUBの村岡さん。お店の独特な雰囲気が最高に落ち着くのだそうです。


【かやぶき山荘 格山】

https://kakuzan.ugotown.com/
築100年を超えるかやぶき屋根の古民家で、昔ながらの宿泊体験ができる一棟貸しのお宿。地域に暮らす方々と、羽後町を訪れた方の交流拠点としても活躍しています。

【阿専(あせん)】

https://asen-abe.wixsite.com/asen
こちらも築100年を超えるかやぶき屋根の古民家民宿兼カフェ。日常を忘れてゆったりとした時間を過ごすことができます。

取材日:2021年8月

※本記事掲載の情報は、取材時点での情報です。(2021年8月)

魅力深堀り!取材レポートのまとめページに戻る

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

ページ上部へ戻る