お知らせ

北秋田市の奥行きのある自然を贅沢に楽しむ

豊かな自然と共に生きる「マタギ」の文化を色濃く残す北秋田市。雄大な自然は住む人を魅了し、癒してくれます。五感を解放し、ゆったりとした時の流れを感じながら歴史や伝統に触れる北秋田市の休日をご案内します。

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森吉山や名瀑をゆったりと満喫

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北秋田市の四季を彩る美しい自然は、何にも代えられない宝物です
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6月末、山人平に咲き乱れるチングルマとイワカガミ。頂上付近には雪渓が望めます

秋田県の県北中央に位置する北秋田市は、山や川といった豊かな自然に囲まれて春夏秋冬それぞれに美しく、また、文化や歴史が色濃く残る魅力的な土地です。最近は「マタギ」になるために移住する若者もいて、そのような人たちを温かく迎え入れる風土でもあります。
北秋田市のシンボルとも言える森吉山(もりよしざん)は「花の百名山」に数えられ、初夏から秋にかけて約300種類のかわいらしい高山植物が咲き乱れます。山頂を目指す登山コースは6つあり、どれも日帰りできるコースです。

ゴンドラで空中散歩を楽しめるのも森吉山の魅力。森吉山阿仁スキー場の山麓駅から標高1,167メートルの山頂駅まで約20分間、普段はお目にかかることのできない高い目線から眺望を楽しむことができます。ゴンドラ山頂駅から登山をする場合は、山頂まで片道約1時間半の行程です。

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紅葉も絶景!ゴンドラから360度のパノラマを楽しむことができます
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迫力あるスノーモンスターの行進

秋の紅葉シーズンには、赤・オレンジ・黄色、たくさんの紅葉色で迎えてくれる森吉山。ブナなどの広葉樹が織りなすその色合いは、標高や日にちで少しずつ変化していきます。春〜秋シーズンのゴンドラ運行期間中は「ガイドと行く森吉山自然観察会」の開催もあり、より深く森吉山を知るチャンスです。

冬には、山頂付近に巨大なスノーモンスターが出現! 樹氷鑑賞期間の1月上旬〜3月上旬(気候によって変動)は、ゴンドラ山頂駅で長靴やスノーシュー、ストックなどを無料で貸し出ししており、樹氷平を歩いて間近に樹氷を鑑賞することができます(一周約30分)。

【森吉山阿仁スキー場】

住所 秋田県北秋田市阿仁鍵ノ滝79-5
電話 0186-82-3311
HP https://www.aniski.jp/

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「安の滝に来ると、恋が叶えられる」との言い伝えもあるそう
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落差50メートルを3段で流れ落ちる三階滝

森吉山周辺には、たくさんの名瀑があります。奥阿仁の山中にある「安の滝(やすのたき)」は、落差90メートルの2段構造の滝。周辺の緑や紅葉と、水しぶきを感じられる大迫力の滝が美しく、「日本の滝百選」で第2位に選ばれています。8キロメートルにわたる中ノ又(なかのまた)渓谷の上流部にあり、散策路入り口から滝壺までは約2キロメートル、片道1時間ほどのトレッキングコースです。(トレッキング期間:6月〜11月上旬)

県の名勝天然記念物に指定されている「小又峡(こまたきょう)」は、大小100以上の滝が点在する全長約7キロメートルの渓谷です。太平湖に流れ込むノロ川が、火砕流の大地を200万年かけて浸食し、神秘的な景観を作り出しました。太平湖を遊覧船で渡ると、小又峡桟橋から三階滝まで片道1.8キロメートルの遊歩道が整備されており、穴滝や三角滝など、他に類を見ない独特の造形美を楽しむことができます。(トレッキング期間:6月〜10月)

【太平湖遊覧船(森吉山荘)】

住所 秋田県北秋田市森吉字湯ノ岱14-1
電話 0186-76-2334
HP https://moriyoshizan.jp/around/taiheiko
運行期間 6月上旬〜11月上旬
運行時間 9:30〜15:30(1時間おきに運行)

ゆっくりと時間をかけて登山やトレッキングをしながら、全身で自然を感じる楽しみは、北秋田市ならではの豊かな時間の過ごし方といえるでしょう。

「くまくま園」でクマに会う

「マタギの里」として知られる森吉山麓の阿仁地域。マタギとは、農業と狩猟を生業にする人たちで、春から秋にかけては農業を、晩秋〜早春は山に入り狩猟をして生活してきました。狩りで手に入れたクマなどの獲物を「山の神様からの授かり物」として大切にする習慣があり、古くから人と自然がうまく共存してきた歴史があります。そんな地域にあるクマの動物園「くまくま園」では、ツキノワグマとヒグマを飼育しています。

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自然豊かな山中にある「くまくま園」で、のびのびと過ごすツキノワグマ
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生まれて間もないツキノワグマの子グマ。姿も仕草も愛らしい

「つきのわ舎」では、ツキノワグマが大くま(大人のオス)・中くま(大人のメス)・小くま(1才、2〜3才)に分かれて過ごしており、クマ同士がじゃれ合うかわいらしい姿を見ることができます。餌やり体験の時には、「エサちょうだい」のポーズをするクマもいますよ。子グマが生まれた年には、「こぐまのほいくえん」で1日2回、0才の愛らしい子グマと触れ合うこともできます(期間限定)。

「ひぐま舎」では、ガラス越しに体の大きなヒグマを見ることができます。運動場で水遊びをする様子は迫力満点! ここにいるヒグマは、秋田八幡平クマ牧場の閉館にともない行き場を失ったクマたちを「くまくま園」で受け入れたという経緯があります。「クマは山の神様から授かる特別な動物」という、この地域ならではの温かい想いが施設運営のベースになっていることがうかがえます。

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個性的なクマたちが、いろいろな仕草を見せてくれます
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野山にいるようなマイペースな姿を見せるヒグマたち

「つきのわ舎」と「ひぐま舎」でクマたちに会ったら、展示コーナー「クマを知ろう」へ。ここでは、クマの生態を知り、野生動物であるクマとどのように付き合っていくかを考えることができます。近年、クマが人の生活圏に出没することが増えました。北秋田市には、昔からクマと上手に共存してきた「マタギ」の文化が根付いています。同じフィールドを、人とクマが一緒に使い合う方法を知り、未来を担う子どもたちにもその文化をしっかりと伝えていくーー「くまくま園」は楽しいだけでなく学びの場でもあるのです。

【北秋田市くまくま園】

住所 秋田県北秋田市阿仁打当字陳場1-39
電話 0186-84-2626
HP http://hahaha.akita.jp/wp/kumakuma/
開園時間 9:00〜16:00(最終入園15:30)
開園期間 4月下旬〜11月上旬(期間中無休。冬期間はクマが冬眠するため閉園)

続いて、「打当温泉 マタギの湯」の温泉で疲れを癒し、マタギの歴史について知識を深めます。

秘境の宿「打当温泉マタギの湯」

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山に抱かれるようにして建つ秘境の宿
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山奥の景色と空気を存分に楽しめる半露天風呂

その昔、マタギがこのお湯で疲れや傷を癒したと言われる「打当温泉 マタギの湯」は、現代の北秋田市民にとってもリフレッシュの場。館内には、温泉、お食事処「シカリ」、マタギ資料館があります。宿泊してゆっくりくつろぐのもよし、日帰りで温泉と食事を楽しむもよし。県内最初のどぶろく特区に認定されており、濁酒「マタギの夢」を製造販売しています。

源泉掛け流しの温泉は、体の芯から温まり湯冷めしにくいのが特徴です。神経痛や冷え性、疲労回復に良いと言われています。大きな窓から風景を楽しめる大浴場、眼前に木々を望める半露天風呂など、広々とした温泉で身も心もゆったりと癒されます。湯口がクマの顔になっているのがポイント!

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熊鍋定食3,200円(税込)。山の幸をふんだんに使った小鉢も魅力!
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熊鍋単品は2,600円(税込)。定食も単品も、3日前までに予約が必要です

お食事処「シカリ」では、地元の山の幸を味わうことができます。一番人気は「熊鍋定食」。クマの肉に3〜4時間じっくりと火を通してアクを抜き、薄くスライスして煮込んでいるため、脂が乗って甘みがあり、とても柔らかいのが特徴です。味噌汁や小鉢には、春は山菜、秋はキノコなど山の恵みがたっぷりと使われています。

クマの肉は固くてクセがあるというイメージもあるかもしれませんが、この熊鍋のトロトロとろけるような肉を食べると、ガラリとイメージが変わります。臭み消しの山うどや大根も、いいアクセント。肉や野菜のダシと味噌味が合わさり、隠し味に使っているどぶろくがコクを生み出しています。食べ進むほどに、モリモリと元気がわいてくるお鍋です。

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マタギの住まいを再現。昔、マタギが使っていた道具を展示しています
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その昔、マタギが使っていた狩りの道具「ナガサ」

 食事のあとは、別館の「マタギ資料館」へ。音声ガイドを聴きながら、マタギの世界観を体感することができます。案内は、マタギの始まりとして語り継がれている「万事万三郎(ばんじばんざぶろう)」の伝説からスタート。平安時代の優れた猟師・万事万三郎が天皇から免状をもらい、国境を越えて猟をする許可を得たのが始まりで、この万事万三郎の子孫が旅マタギとして全国に散らばったと言われています。阿仁のマタギは、全国に散らばるマタギの「本家」なのです。

「ナガサ」は、先が鋭く切れ味の良い優れた道具。フクロナガサの柄が丸く筒のようになっているのは、長い棒を差して槍として使うためです。また、ナガサの鞘が平らなのは、肉を切り分ける時にまな板がわりにするためだったそうです。雪深い山の中で狩りを行うマタギは、なるべく持ち物を減らせるように工夫を凝らしていたことがわかります。このほか、集団で行う狩りの技や儀式、歴史などについても詳しく知ることができます。

マタギは山に入って狩ったクマを「神様からの授かり物」として大事に扱い、余すことなく食べます。胆嚢は乾燥させて、「熊の胆(くまのい)」という薬として重宝していました。人間も自然の一部であり、自然の恩恵を受けながら野生生物と共存して生きるーーそのようにして生活してきたマタギの姿を垣間見ることで、北秋田市の伝統的な暮らしを知ることができます。

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「マタギの湯」の正面に再現されたマタギ小屋。冬の山中で狩りをするときのベースキャンプでした
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北秋田市の名物「バター餅」5個450円(税込)と「笑内(おかしない)」1個100円(税込)

ここで、北秋田市の名物をご紹介します。一つは、マタギの携帯食として重宝されていたといわれる「バター餅」。昔から市民に愛されてきた郷土菓子で、複数の店舗で販売されています。そのうちの一つ「柴田さん家の元祖バター餅」は食感がふんわり柔らかく、口の中でバターの甘い香りが広がります。
もう一つは「笑内」。北秋田市と旧角館町をつなぐ秋田内陸線の駅名がネーミングの由来となっています。チーズを白あんで包み、香ばしく焼き上げたチーズ饅頭で、おやつとして親しまれ愛されています。素朴な郷土のお菓子をぜひ味わってみてください。

【打当温泉 マタギの湯】

住所 秋田県北秋田市阿仁打当字仙北渡道上ミ67
電話 0186-84-2612
HP http://www.mataginoyu.com/
チェックイン 15:00〜18:00
チェックアウト 〜10:00
日帰り入浴 9:00〜20:30
お食事処「シカリ」 11:00〜14

【笑内(おかしない)】

製造・販売 「鷹巣 晩梅(ばんばい)」
住所 秋田県北秋田市住吉町8-1
電話 0186-62-1066
HP http://www.banbai.com/index.html
購入できる場所 道の駅阿仁、秋田内陸線阿仁合駅など


【元祖 バター餅】

製造・販売 「精まい家 柴田」
住所 秋田県北秋田市阿仁戸鳥内家ノ前6-1
電話 0186-84-2832
購入できる場所 道の駅阿仁、秋田内陸線阿仁合駅、秋林商店など

※本記事掲載の情報は、取材時点での情報です。(2021年12月)

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この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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