お知らせ

観光だけじゃない!豊かな自然が育むおおらかな地「大館市」

秋田犬、比内地鶏、きりたんぽなど、全国的にも有名な観光資源をもつ大館市。中心部から車で約30分の「大館能代空港」からは羽田空港への往復便が飛んでおり、豊かな自然と都心へのアクセスのしやすさが融合する「ほどよい田舎」です。

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田代岳登山で森林浴を楽しむ

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大館駅前にある観光交流施設「秋田犬の里」。本物の秋田犬をみることができるほか、お土産コーナーも充実
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青森との県境近くに位置する「田代岳」。息をのむような絶景で登山者を癒します

秋田県北部にあるここ大館市は、東北で5番目に大きい一級河川「米代川」の中流・大館盆地の中心にあり、白神山地に属する「田代岳」や、霊峰「達子森」などをはじめとする広大な山々に四方を囲まれています。 市内には飲食店が数多く軒を連ね、世代を超えて愛される老舗からUターンした若者がはじめた新店舗まで、新旧の風が入り混じっています。

今回はハイキング、ランチ、スイーツなど、市民に愛されるスポットを通して、大館の豊かな自然と食を満喫する休日の過ごし方をご紹介します。

最初にご紹介するのは大館市田代地区にある標高約1,177メートルの「田代岳(たしろだけ)」。山そのものが御神体と言われ、古来より地元住民が祈りを捧げてきた山です。山頂へは5つの登山コースがあり、それぞれに違う景色を味わうことができます。原生のブナ林を登り9合目にさしかかると、突然パッと高層湿原が広がり、お隣青森県で一番高い山「岩木山」を望むことができます。季節によって表情を大きく変える田代岳で、心地よい疲れを体感しましょう。

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荒沢、大広手登山口へ向かう途中、五色湖の橋から田代岳前岳が見えます
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澄んだ空気の中でブナの原生林が力強くそびえ立ちます

田代岳の麓には川の水をたたえる山瀬ダム(通称・五色湖)が広がっています。春には桜、新緑、緑。秋はブナの黄色オレンジ、冬は真っ白と、季節ごとに変わる色どりの豊かな木々が鏡のような湖面に反射し、訪れる度に違う表情をみせてくれます。周囲にはペットと泊まれる施設「五色湖ロッジ」やキャンプ場が整備されており、毎年夏場にはキャンプやバーベキューを楽しめるスポットとして親しまれています。

田代岳は、樹齢200〜300年クラスのブナの木が数多く生育している場所です。ここで育つブナは地衣類や苔類で覆われていますが、それは田代岳がブナの生育に適した環境である証拠。木の根元に水を蓄えることから「天然ダム」とも言われるこの木の下には、柔らかくえぐみの少ない「田代岳の根曲がり竹」が豊富に育ち、毎年5月末から6月初めになるとタケノコ採りの人々で賑わいます。

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ハートの形をした池塘に、空の色が映し出されます
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冬の風物詩大館アメッコ市。「この日にアメを食べると風邪をひかない」と言われています

ブナの木が生茂る登山道を進み、9合目へ足を踏み入れると、あたり一面広大な高層湿原が広がり、まるで楽園の中を歩いているかのよう。約120の池塘(ちとう)が散在しているこの場所は、チングルマ、ミツガシワ、ワタスゲといった寒い場所でしか咲くことのできない高山植物を楽しむことができます。
秋田県北部の農家の人々は、毎年半夏生(はんげしょう・7月2日)に岳詣りし、9合目に広がる高層湿原の池塘に咲くミツガシワの成育状態をみて、その年の稲作の豊凶を占う伝統的習慣があるため、7月の半夏生には毎年大勢の登山客で賑わいをみせます。

田代岳は古来からいくつもの神様がいる山として、地域に愛され祈りを捧げられてきた山です。山頂にある神社には五穀豊穣の神「白ひげ大神(白髭直日神)」が祀られており、400年以上続いている小正月行事「大館アメッコ市」の象徴として語り継がれています。この祭りの日には、会場となる大通りに約90店のアメ屋などの露店が立ち並び、多くの観光客で賑わいをみせます。市内にはミズキの枝にくくりつけられた紅白のアメが飾られ、降り積もる雪で真っ白な大館の冬に彩りをそえてくれます。

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豊富な知識と親しみやすい人柄で全国にファンがいる大川さん

今回話を伺ったのは、田代岳をはじめ県内外で登山ガイドとして活躍している大川美紀さんです。地元・田代岳を「休みの朝、起きて晴れていたら迷わず行く山」と表現する大川さんは、「田代岳を愛する会」のメンバーとして登山道の橋掛け作業や整備、ゴミ拾い、山頂の小屋の掃除などを行い、自然豊かな田代岳を守る活動を続けています。大川さんはSNSを通して、登山中に撮影した野鳥や植物の様子も発信していますので、そちらもぜひご覧ください。

【登山ガイド 大川美紀さん】
SNS https://twitter.com/myukiwarisou

長く愛される老舗洋食店でランチ

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遠くからでも目立つえんとつは、かつて味噌づくりをしていた建物のなごり
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創業当時から長年親しまれてきた、時代を重ねたインテリア


ここ大館には、市民から40年以上愛され続ける老舗洋食店があります。長いえんとつがシンボルとなっている喫茶&レストラン「えんとつ」は、親子2代で営む町の洋食屋さん。毎日10時半のオープンから閉店まで、地元のお客さんを中心に賑わいます。家族連れやカップル同士での来店も多く、世代を超えて親しまれているお店だということがわかります。

ハンバーグセットやスパゲティ、平日限定の日替わりランチやパフェ。豊富なメニューの中でも特に人気なのは、アツアツの鉄板にのった手ごねハンバーグです。ハンバーグといえばデミグラスソースや大根おろしの和風ソースが思い浮かびますが、「えんとつ」といえば、真っ白なインパクトあるこのソース。

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「チーズハンバーグ(ホワイトソース)」150g 830円(税込)。プラス料金で定食にもできます

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丁寧に入れられたブレンドコーヒー360円(税込)

ハンバーグの上にチーズをのせてオーブンで焼き、さらに牛乳をたっぷり使った自家製チーズソースをこれでもかというくらいかけた一品。ナツメグやブラックペッパーなど数種類のスパイスを効かせたハンバーグに、ナイフを入れるとホワイトソースの下から溶けたチーズがのぞきます。目玉焼きの半熟の黄身と合わさるとマイルドな味わいに。チーズソースをしっかり絡めて召し上がれ。

カウンター席に座ると、目の前には使い込まれたサイフォン式のコーヒー器具が並んでいます。丸いガラス瓶から、ガスバーナーを用いてぽこぽことコーヒーが抽出される様子は、まるで実験をしているかのよう。同店オリジナルブレンドの豆を使用したコーヒーは、香り高く深みのある味わいです。

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大きな窓からは、通勤する人や散歩をする人の様子がみえます

父の背中を追って10代の頃から厨房に入り、20年以上ここでオーナーシェフを務めるのは、2代目の船木鉄兵さん。1981年の創業当時から受け継がれている味に加え、時代の変化に合わせてメニューを増やしたり改良を加えたりしているそうです。変わりゆく街並みの中に変わらず存在するこの大きなえんとつとノスタルジックな雰囲気が、人々に愛されている洋食店です。

【えんとつ】

住所 秋田県大館市餌釣大杉29
電話 0186-49-4249
HP http://www17.plala.or.jp/entotsu/
営業時間 平日 10:30〜21:00
土日祝日 10:30〜15:00、17:00〜21:00
※平日のみサービスランチ有り(11:00~14:00)
休業日 月曜日(月曜が祝祭日の場合は火曜日)

色鮮やかな洋菓子で気分転換

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大館市出身の西里栞さん。一人でお店を切り盛りしています
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店舗の内装も月や空を。パティシエの世界観がつまったお店です

カラカラと木の戸を引くと目に飛び込んでくるカラフルなケーキ。大館市のハチ公小径(大町商店街)に2021年5月にオープンした「パティスリー リュンナクレ」には、旬のフルーツをふんだんに使った日替わりのケーキと焼き菓子がずらりと並んでいます。趣向を凝らしたケーキが口コミで話題になり、週に3日の営業日にはオープン開始から長い列ができるほどの人気の洋菓子店です。

リュンナクレのパティシエ・西里栞さんはここ大館市生まれ。幼い頃からお菓子作りが好きで、東京の製菓学校を卒業後、都内や滋賀県の洋菓子店でパティシエとして経験を積み、2020年にUターン。店名であるリュンナクレはフランス語で、「真珠のような月」という意味で、「月明かりのようにやさしく照らすようなお菓子をつくりたい」という西里さんの想いがこめられています。

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「あきたのこっこプリン」320円、「シュークリーム」140円(いずれも税込)
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フルーツをたっぷり使ったものを中心に、ケーキのラインナップは日替わり

リュンナクレの美味しさの秘訣は2つ。まず一つめは、全ての商品に大館市比内地区で育てられた「比内地鶏」の卵を使用していること。秋田のブランド鶏「比内地鶏」は日本三大美味鶏にも数えられ、放し飼いでしっかり運動をして育ちます。その卵はとても濃厚でコクがあるのが特徴。中でも、クリームチーズが入ったプリン液をオーブンで湯煎焼きした「あきたのこっこプリン」や、営業日の朝に生地を焼き上げる「シュークリーム」はリピーターの多い人気スイーツです。

二つめは、地元産の果物を積極的に使っていること。秋田県北部はりんごや桃の産地として名高く、また中にはシャインマスカットやキウイフルーツ、ブルーベリーなどを栽培している農家もあります。「当店を通して、大館で育つ様々なフルーツを知ってほしい」と考える西里さんは、仕入れ先の産地直売所とやり取りをしながら、使用するフルーツを選ぶのだそう。仕入れ状況によってラインナップが変わるので、訪れるたびに新しい出会いがあってワクワクします。

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スコーンやクッキー、タルトなどの焼き菓子も並びます

月・水・土曜の営業日は開店直後からお客さんで賑わい、2時間ほどで売り切れてしまうことも。商店街を利用する年配の方や、偶然立ち寄ったことからリピーターになったお客さんなど、オープンから1年足らずでたくさんのファンに愛されています。「この町の人たちに親しんでもらえるようなお店にしたい」との思いが伝わってくる、かわいらしく温かい雰囲気のリュンナクレ。旬の食材をたっぷり使った見た目も鮮やかなケーキが、食べる人の心にポッと月のような明かりを灯してくれます。

【Pâtisserie Lune nacrée(パティスリー リュンナクレ)】

住所 秋田県大館市中町1 ハチ公小径内
電話 0186-59-6789
HP Instagram
営業日 毎週月、水、土曜 10:00〜 売り切れ次第クローズ

※本記事掲載の情報は、取材時点での情報です。(2021年12月)

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この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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