インタビュー

秋田の空き家に新たな命を吹き込む、協力隊OGの“戦略的”な地域デザイン

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プロフィール

元大館市地域おこし協力隊 大川舞さん(活動時期:2019年4月~2022年3月)

○現役時代の所属:大館市商工課

○現在:NPO法人あき活Lab 理事 (空き家活用)

    株式会社OIC 取締役 (映像やWeb制作・空き家再生)

○現役時代の活動内容:企業誘致、定住に資する活動

○出身地:秋田県大館市


―「いつか地元へ」を「今」に変えた、行政からの一言―

大学進学を機に地元・大館を離れた大川さんは、盛岡のハウスメーカーで新築販売に携わり、その後は不動産会社、さらには長野の司法書士・行政書士事務所で実務を積んできた。心には常に「いつかは地元に戻って、自分の事業をやりたい」という想いがあったが、地方での仕事や生活のリアルを考えるとなかなか踏み出せずにいたと言う。
そんな折、パートナーの協力隊応募をきっかけに、大館市の担当者から提案を受ける。

「10年も地元を離れていると、人脈も今の秋田の状況もゼロからのスタートになる。だからこそ、協力隊期間を、自分の事業を形にするための『足がかり』としてはどうか」

この提案をきっかけに、行政のサポートを受けながら、3年間かけて人脈と知識をアップデートできる、と考え、協力隊の応募を決めた。

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―「ないなら作る」精神。コロナ禍で見つけたブルーオーシャンの可能性―

2019年4月に着任。しかし、活動が本格化しようとした矢先にコロナ禍となった。当初のミッションだった「サテライトオフィスの企業誘致」は、人の移動が制限される中で大きな壁にぶつかった。そこで彼女が目を向けたのは、自身のバックグラウンドである「不動産と法務の知識」を活かせる空き家活用だった。

「秋田は何もないと言われるけれど、それは競合がいない『ブルーオーシャン』だということ。何でもやりやすく、自分の役割をすぐに見つけられる場所なんです」

大川さんは、ミッションの枠を超えて空き家を活用した地域の居場所「としょ木漏れ日」をスタート。多世代交流サロンや子ども食堂、マルシェ等を展開し、住み開きの活動を行った。また協力隊の任期中に、「NPO法人あき活Lab」を設立し、実際に現地に赴き空き家の調査をしたり、行政からの空き家相談窓口などを請け負う事業を行った。こういった一つひとつの活動が、かつて担当者が言った「人脈」となり、地域からの揺るぎない「信頼」へと変わっていった。

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―「非営利」と「営利」の二刀流。退任後をデザインするしなやかな戦略―

大川さんの歩みはこれから協力隊を目指す人にとっても参考となるだろう。
理由は、その「戦略的な自立」にある。彼女は2021年に設立した「NPO法人あき活Lab」で「非営利の窓口」を作ることで、協力隊卒業後も地域に貢献し続けられる仕組みを構築した。「営利の窓口」としては、株式会社OIC、えうる不動産を立ち上げ、映像やWeb制作・空き家再生等の収益化の見込まれる事業を展開した。(※活動の中で起業や隊員の事業活動が認められるか否かは各自治体の方針・判断によります)

さらに退任時には、最大100万円が支給される「協力隊起業補助金」をフル活用。自身の個人事業で古道具店『空~kuu antiques~』や民泊事業を展開している。
「価値がないと思われていたガラクタや古い家に光を当て、地域の宝物に変えていく。NPOで地域貢献を行い、株式会社でビジネスとして持続させる。この両輪があるからこそ、大館での暮らしはより自由で豊かなものになっています。」と語る。

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―未来の協力隊へ。
「制度を賢く活用して、自分のやりたいを実現してほしい」―
 

インタビューの最後に、大川さんはこれから秋田を目指す人々へ向け、力強いエールを送ってくれた。

「協力隊は公共事業なので、まずは地域づくりへの貢献が第一ですが、自分の成長のためにもうまく『活用』してほしいです。都会の大きな歯車として回ることに疲れたなら、ぜひ秋田に来てほしい。ここでは自分の一歩一歩が、ダイレクトに地域の変化に繋がる手応えがあります」

高校生までの自分には見えていなかった、地元のディープな面白さと、替えのきかない自分の居場所。一つの企業に属するのではなく、地域という大きなフィールドで複数の役割(マルチキャリア)をこなす。そんな新しい生き方が、今の秋田にはある。

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・としょ木漏れ日 https://www.instagram.com/akitainu_otono_kanro/
・NPO法人あき活Lab https://akilab.org/
・株式会社OIC https://fmfm-oic.com/
・古道具店『空~kuu antiques~』 https://www.instagram.com/kuu_antiques/

湯沢市 地域おこし協力隊 古賀 恵理子さん                        (活動期間:2020年4月1日〜)

PRとデザインの力で地域のブランディングに貢献する
大潟村地域おこし協力隊 明平 冬美(あけひら ふゆみ)さん
(活動期間:2021年10月〜)
○所属:大潟村総務企画課
○活動内容:地域資源の価値創出、関係交流人口の創出と拡大・イベントの開催、秋田県立大学との連携強化
○出身地:秋田市

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 人口戦略部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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