インタビュー

IT技術を活用し、東成瀬村の課題解決に挑む

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プロフィール

東成瀬村地域おこし協力隊 高橋明史さん

○所属:東成瀬テックソリューションズ株式会社(活動期間:2022年3月~)

○活動内容:IT技術を駆使し、村のデジタル化を推進

○出身地:神奈川県


―コロナ禍を契機に、国内の課題解決に関心が高まる―

高橋さんの前職は開発コンサルタント。国が定めるアジア・アフリカ等の開発途上国の支援業務を受託する会社に籍を置き、途上国の数学教育の支援を主な業務としていた。生徒はもちろん、教師に対しての数学学習の基本、授業の進め方、授業の内容等を教え、教材の開発・提供をするなど、幅広く数学教育支援活動に携わり、その手ごたえも得ていた。
しかし、コロナ禍により海外への支援活動がとん挫することが多くなり、海外支援という開発コンサルタントの先行きに不安定さを感じていたとき、東成瀬テックソリューションズ株式会社(通称 なるテック)の活動を知った。自らが志向する支援活動が、地方創生という形で生きるのではないかと感じ、大いに興味を持ったという。同時に同社の若き創業者である近藤社長の「東京一極集中に疑問を感じ、地方からこの国の課題解決に挑む」などという地方の可能性に満ちた考えに共感したことも大きかったという。

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開発コンサルタント時代の国際協力(数学教育支援)の様子(モザンビークにて)


―役場のデジタル推進が国内のデジタル推進に繋がる―

高橋さんのなるテックでの主業務は、東成瀬村役場のDXの推進。DX研修をはじめ、研修後は現場での現状分析、DXを活用した業務改善支援へとつながる。具体的にはペーパーレス化の推進や、役場広報にLINEを導入した情報発信など。どれも職員の作業の効率化を目的としたものとなる。活動は役場からの情報を村民がLINEを通じて受けとれるように、村民のITリテラシーの向上を図ることも大切な業務となる。村民向けにスマホ、LINEの使い方、TV電話のやり方などの講習も必要となる。DXの推進とはいえど、非常に地道な活動の積み重ねで、効果が見えるまで一定の時間も必要となる活動だ。だが、こんな地道な活動が、役場の作業効率を推進し、住民サービス向上をもたらすことにも繋がっている。

また、こうした着実な活動の積み重ねが、様々な企業向けにDX研修やITリテラシー研修など、なるテックの新たな活動の場を生み出すことに繋がり、大局的に地方のDX推進にも貢献していくものと考えている。
なるテックでは企業の活動として、地方だけでなく首都圏の企業からの業務も開拓し、さらなる先端分野での課題解決にも取り組んでいる。こうした業務によって、最新分野の情報収集はもとより、新技術の開発、習得など社員のスキルアップを果たすことにもなっている。
一方、なるテックとしての全国に向けた社員募集の手法は、東成瀬村役場の人材確保にもそのノウハウが生かされる余地がありそうだ。

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村の方に向けたなるテックの活動報告

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民間向けDX研修


―移住者100%のなるテック社員が地域と一緒に成長を目指す―

現在、なるテックの社員は59名(R7.1現在)。令和3年の「創業以来5年で100名のプロフェッショナル集団を目指す」と目標を掲げ社員を増やす同社だが、現在の社員中、東成瀬村への新規移住者は100%!うち70%が県外から、30%が県内からという構成となっている。高橋さんも県外からの移住者の一人。ほぼ3年を過ごした東成瀬村での生活については、「住民の皆さんが暖かくて、とても住みよいと感じています。初めてだった雪よせの時には、道具を貸してくれて、その使い方から教えてもらいました」と、村での生活の様子を語ってくれた。こうした地域住民との関わりは他社員も共通で、社員が住む村落ごとのお祭りなどにも社員それぞれが参加し、地域との関わりを深くしているそうだ。昨年8月には、地域のお祭りである「成瀬ダム祭り」に事務局として参加してお祭りの企画・運営をサポート、建設中の成瀬ダムを中心に、地域の盛り上げの一役を担っている。
役場のDX推進、村民のITリテラシー向上ばかりではなく、会社と地域とのかかわりを通じて、地域と共に成長していくことを目指している。

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成瀬ダム祭りの様子


―任期後もなるテックとしての活動を継続―
 

間もなく任期の満了を迎える高橋さんだが、退任後もなるテックの社員として活動を継続するとのこと。このことは就任時から考えていたそう。
なるテックの一員として東成瀬村のDX推進を主業務とし、一層収益が出せる事業の構築など、会社の収益性の向上などを目指して自身の力を発揮していきたいと考える。なるテックの企業活動の活性化によって、「少子高齢化も進む東成瀬村だが、自分たちの活動でこの村に持続可能な環境をつくることに貢献し、住みよい村づくりの一助になりたい」と語ってくれた。

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なるテック主催の地方創生関係イベントにて


―秋田での協力隊を考えている人へ―
 

地方には豊かな自然や文化、温かい人々との出会いが待っています。しかし、同時に課題や挑戦も多く、それらに向き合い、地域の未来を共に考える力が求められます。協力隊の活動は、自分のスキルや経験を活かすだけでなく、新たな成長の場でもあります。地域と自分、双方の可能性を広げる活動をしませんか?

インタビュー日 令和7年1月29日

 

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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