インタビュー

復活した舞妓として湯沢市の魅力を発信

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プロフィール

湯沢市地域おこし協力隊 須田さくらさん

○所属:湯沢市情報政策課(活動期間:2023年7月~)

○活動内容:舞妓活動・湯沢市の魅力をSNSなどで発信

○出身地:秋田県由利本荘市


―憧れの都会生活に疲れて 高校の部活体験を秋田に活かす―

秋田県由利本荘市で生まれ育った須田さくらさんは、高校生の頃「早く田舎の秋田を出て都会へ行きたい!」と夢見ていた。高校卒業後、岩手県内の専門学校を経てついにその想いを実現、仙台で憧れの都会生活をスタートさせた。仙台市は人が多く、何でもある街!夢に見た都会での暮らしだったが、美容室や医療事務などの仕事をするうちに、やがて“人の混みあう生活”に疲れを感じ、秋田に帰りたいと思うようになっていった。
秋田での仕事を探していたところに、母親から「湯沢市で地域おこし協力隊として芸舞妓の募集をしている」と聞き、「それなら自分でも秋田の役に立てる!」と応募を決めた。さくらさんは高校時代、民謡の部活動をしており、唄はもちろん、踊りや三味線も心得があった。もともと和文化に関心が高く、舞妓の着物や化粧にも興味があった。さらに部活の先輩にはあきた舞妓として活躍している人もいて、活動イメージができていた。


―和文化の結集として、舞妓の芸を磨きつつ、湯沢市の魅力を情報発信する―

さくらさんの活動は舞妓や芸妓のマネジメント会社である国見アートマネジメントでの活動がベースとなる。会社に出勤し、踊りや三味線の稽古を重ねる。華道や茶道教室にも通い、日々舞妓としての知識・技術の上達を図るのが日課だ。習字を習う準備も進めているそう。唄・踊りはもちろん華道、茶道、習字と、和の文化を総合的に習得することで、舞妓としての総合力の向上を図りたいとの思いだ。料亭やホテル、ときには個人宅からも声がかかって、唄と踊りを披露し、お客さんとの会話で盛り上げる。舞妓としての成長や活動を情報発信していくことも地域おこし協力隊の活動の一つとなっている。

湯沢の舞妓は50年前に途切れたが10年前に復活を果たした。「秋田湯沢湯乃華芸妓」と呼ばれる。その主宰者がマネジメント会社のオーナーである。現在湯乃華芸妓は芸妓6名、舞妓はさくらさん含めて2名。舞妓は言わば芸妓の見習い。さくらさんたち舞妓は日々の鍛錬を積んで芸妓を目指しているという。

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会社前のさくらさん

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踊りの稽古


―地域との交流を通じて湯乃華芸妓をアピール―

舞妓の活動はテレビや新聞などのマスコミをはじめ、広報紙など様々なところで紹介されていることから、華道や茶道の教室をはじめ、市内のあちらこちらで声を掛けられるという。ときには地域の方から野菜の差入れがあったり、地元の情報を教えてくれたりと、様々な形で活動をサポートしてもらっている。また中学校を訪れて舞妓としての地域活動の様子を話したり、保育園で踊りを教えたり、一日警察署長を務めたりと、幅広い活動で地域の方々との交流の輪を広げている。

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踊りを披露するさくらさん(左側)

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一日警察署長


―地元の当たり前が湯沢の魅力―
 

さくらさんにとって湯沢は、故郷の由利本荘市と同じ秋田県内とはいえ、初めて過ごす街。
それだけに、見える街並みや自然は新鮮で魅力に溢れて映る。なかでも湯沢の街並みのレトロ感や小安峡の紅葉の美しさなどは、さくらさんのお気に入りで、大いにアピールするべきところと思っている。しかしながら、「地域の人にはその存在が当たり前すぎて、魅力と感じていない」ことが多いとのこと。湯沢に来て、様々な魅力を感じたときの新鮮さを大事にし、そんな地域のあたり前を湯沢の魅力として発信することで、「まずは地域の人にその魅力を知ってほしいし、もっと湯沢を好きになってほしい」と活動に熱を入れる。


―任期後も舞妓として湯沢の魅力を発信し続けたい―
 

日々舞妓として精進を重ねるさくらさんだが、舞妓としての活動も魅力の発信もまだまだやり切れていないと感じ、任期後も継続していきたいと考えている。一般の方とのコミュニケーションの場として始めた「コスプレイベント」も、「10人くらいの参加者からスタートしたが、もっともっと盛り上げていって、湯沢の新しい魅力の一つに育てていきたい」と抱負を語る。

舞妓という活動の場をどう感じるか尋ねると、「舞妓の支度をし、顔に白塗りをするとスイッチが入るんです」とその心意気を語ってくれた。復活した湯沢の芸妓(げいぎ)を受け継いで活動するさくらさんのこれからに期待が膨らむところだ。

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コスプレイベント告知


―秋田での協力隊を考えている人へ―
 

舞妓をやってみたいという気持ちが協力隊になるきっかけでしたが、自分がやってみたいことが地域の力につながることはとても素敵だと思います。自分はやらないで後悔するよりもやって後悔したほうがいいと思っているので、気になるのであればまずはやってみるのも良いと思います。

インタビュー日 令和6年11月8日

 

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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