半農半X・複業スタイルで横手の魅力を発見・発信し続けたい
プロフィール
横手市地域おこし協力隊 吉成翼さん
○所属:横手市総務企画部秘書広報課(活動期間:2021年10月~)
○活動内容:情報発信
○出身地:秋田県横手市
―人のため、そして自分らしい生き方の模索―
宮城県の専門学校に通っていたときに東日本大震災に遭った。避難していた建物の2階まで津波が押し寄せてきて悲惨な津波の光景を目にした。その後、航空会社で仕事をしたことがきっかけで海外に興味を持ち、ピースボートに乗った。ペルーのスラム街を訪れたりする中で、日本や自分がとても恵まれていることを実感し、「津波のなかで生き延びたこの命や時間をもっと活かしていく自分らしい生き方ができないか」と思うようになったという。
「ピースボートの仲間たちにも刺激を受けて、そういう言い方がいいかわからないけど、貧困とか差別とかもっと直接的に人の力になるような仕事をしたいと思うようになりました」
その問いを模索する中で、青年海外協力隊も検討したが、被災経験もあり、東北で何かしたいと故郷・横手に照準を定め、横手市で地域おこし協力隊が募集されるのを2年待ち、募集が始まるや否や申し込んだ。
―人口減少だけど頑張ってる若者はたくさんいる!―
着任して、何を情報発信するか。母方の実家が稲作農家で好きな景色だったので農業を発信することに決めた。園芸振興拠点センターにデスクを置いて、農業研修生と一緒に農作業をしたり、食農推進課の皆さんと子どもたち向けの食育教育に携わったり、6次産業化商品のラベルデザインやイベントのポスター作ったり、翼さんを「色々活かしてくれた」という。
横手市のyoutube にも掲載している動画で若手農家さんの取材をする中で、作物が違うと農家さん同士でも出会うことがないことを知り、農家さんたちの飲み会も企画した。また、若手農家さんをはじめ、地元の大人たちがどんな仕事をしているのかを取材して、中学生向けのZINEを作成し市内中学に全校配布した。
ZINE「ヨコテト話ス」の制作
ラベルデザインを担当したいぶりがっこ
「外から故郷を見ていたときは、人口減少や後継者不足などのニュースを聞いて、大変な雰囲気や課題感ばかりを感じていましたが、活動し始めると、若者や地域のために頑張っている人達が沢山いるではないか!そういう存在に光を当てる情報発信や地域を卑下しないマインドの醸成が大事じゃないかと思うようになりました。何もないと言ってしまうのは、見ようとしてないからではないか、と感じます。」
もっと自分らしい生き方をしたいと地元に帰ってきた翼さん。誰かのやりたいことを応援したり、一緒にやろうよ!という存在になれていたり、農業や発信の仕事ができていて嬉しいし楽しいと言う。
―農業でかく汗は気持ち良いし、優しい気持ちになれる―
当初は興味があるという程度だったが、一緒に作業をしているうちに、農業そのものにはまったようだ。任期終了後は、小学校まで暮らしていたおばあちゃんの家に住みながら、半農半X の生活をつくっていきたいという。
「広い空の中で汗をかくのが気持ちいいんです!農業でかく汗はなんか違うんです。作物を育てるのは可愛いし優しい気持ちになれるんです。」
若手農家同士の交流の様子
農業に挑戦
ライター、技能実習生対象の日本語の先生、農業から派生し唐辛子の販売・農家さんのサポート、友人の起業した防災の会社の広報担当などハイブリッド型、複業スタイルで暮らしていく。
「私の知らない横手の発見と魅力の発信は続けようと思いますし、私の未来もまだまだ模索中です!」
―信頼貯金の結果、今があると感じる―
最後に協力隊に関心のある方へのメッセージを聞いた。
「協力隊という存在を知ってもらうと色々な方から、一緒にやりたいとお声がけいただいて、賛同できるものはお受けするようにしてきました。その結果、退任後の仕事に繋がっているものが沢山あります。また、自分が何ができるか、何をしているか発信し続けたのが良かったと思っています。秋田県主催の地域おこし協力隊の研修もとても良くて、仲間や繋がりができたので有効活用して欲しいと思います。」
インタビュー日 令和6年9月14日
この記事に関するお問い合わせ
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