インタビュー

町の新たな魅力を武器に、将来を描く

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プロフィール

八峰町地域おこし協力隊 越前谷淳さん

○所属:八峰町企画政策課(活動期間:2022年10月~)

○活動内容:定住移住コンシェルジュ

○出身地:神奈川県


―コロナ禍を契機に、会社勤めに疑問が生じた―

神奈川県で生まれ育ち、東京の清掃・衛生関連大手企業で働いていた越前谷さんのターニングポイントはコロナ禍だった。仕事が激減し、環境が激変する中で、会社で働くことに対する必要性や東京にいる意義に疑問が生まれ、かねてからの夢だった「田舎暮らし&いつかは起業」という思いが浮かんできた。そこに決定的な情報がもたらされた。「偶然地元の友人が熊本で地域おこし協力隊をしていることを知り、大いに興味を持ちました」と語る。もともと父が二ツ井、母が八峰町の出身であり、夏休みには家族で八峰町に来て、ブラックサンドビーチなど海辺で楽しむことが多かった越前谷さんだったので、八峰町への親しみは強く、すぐに八峰町の協力隊への応募を決めた。
「筋トレなど体を動かすことが趣味で、山登りや海で遊ぶことが好き、自然と触れ合うことが最高の気分転換!」だという越前谷さんの八峰町での活動が始まった。 

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八峰町の海と越前谷さん(活動でも遊びでも)


―主業務の傍ら、任期後の定住を視野に活動―

越前谷さんの協力隊のミッションは定住移住に関わる業務。定住移住コンシェルジュとして、移住相談や移住体験ツアーを主な業務としている。また、「町内のイベントを主催したり、町が行う『半農半X』事業などへの協力、町のPR活動など、八峰町のためになることには積極的に取り組んでいます」と越前谷さん。業務的には「任期後の八峰町への定住も見据えて、かなりフリーに動かせてもらっている」とのことで、ミッションに関する業務よりも、その他の業務の割合が高い状況とのこと。
2年目からは、協力隊の同期で、農業推進コンシェルジュの山田菜々子さん、勝さん夫妻と共に、「やっほ~farm」というチームを作り、野菜作りを始めた。山田夫妻とは同期の仲を超える友情と信頼が築かれ、お互い公私ともに八峰町での生活に欠かせない存在となっているそう。「やっほ~farm」はその後、カモミールティーの製造と販売に着手。カモミール(和名カミツレ)は、ヨーロッパでは古くから薬草として知られ、ハーブティーなどに用いられてきた生薬。八峰町のカモミールは、製薬メーカー株式会社龍角散に納入されているが、そもそも龍角散とは秋田藩の典医であった藤井家が創業した会社で、藤井氏が典医時代に秋田藩主のぜん息を治すために作られた薬が基礎となっているそうだ。
「やっほ~farm」のカモミールティーは県内の様々なイベントに出店して販売している他、数か所のお店でも販売中、詳しくは「やっほ~farm」のインスタなどで確認ください。

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定住移住コンシェルジュの活動

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「やっほ~farm」3人の様子

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 カミツレ畑での様子


―任期後は「やっほ~farm」の法人化で事業の拡大を目指す―

越前谷さんは来年(令和7年)3月に任期を終える。任期後は山田夫妻と立ち上げた「やっほ~farm」を法人化し、事業を本格化させる計画。畑で生産するカモミールは自社のカモミールティー用以外に八峰町カミツレ組合へ納入し、龍角散の欠かせない原料となっている。カモミール畑の面積も広げていく予定で、「カモミール摘み取り体験」や「カモミールティー飲み比べ」など新しい事業のアイディアも尽きない様子だ。
カモミールティ―を作るには、「カモミールの花が膨らむいい時期を見計らって一つ一つ手摘みで収穫し、しっかりと天然乾燥させる手間暇がかかるもの。カモミールの収穫量の増加と、工程の効率化が今後の課題」と話す。
また、古くから八峰町の砂地を活かした名産として知られる「梨」農家さんの事業継承を進めており、任期後はカモミールと梨を2つの柱とし、生産・販売、加工商品の製造販売を主業務とする農業法人が本格稼働する。
越前谷さんはこれまでの活動について、「八峰町で活動していく中で、自分が町のためにとの思いでやって来たのですが、振り返ると町の人が自分のために色々サポートをしてくださいました。今後は「やっほ~farm」を軌道に乗せることで、町の人たちへの恩返しもしていきたいと考えているし、自分たちのような若い経営者が活躍することで町の活性化を図っていきたい。八峰町は十分そのポテンシャルを持っている町だと感じています。」

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梨農家さんの事業承継も進行中

―秋田での協力隊を考えている人へ―
 

地方での活動は、人と人との繋がりが最も大切だと思います。首都圏で生活していた私にとっては、正直それが煩わしい時もたまにあります(笑)。しかし、それ以上に救われることが多く、自分のやりたいことを叶えるには必要不可欠です。関わっていく方々に誠心誠意向き合い、お互いに信頼し合える関係性を構築していくことが重要と考えます。

インタビュー日 令和6年7月10日

 

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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