アウトドア活動を通じて地域の新たな魅力を発信
プロフィール
由利本荘市地域おこし協力隊 柳原正さん
○所属:由利本荘市観光振興課(活動期間:2023年4月~)
○活動内容:地域のアウトドア・観光関連情報を写真や動画で発信
○出身地:東京都
―アウトドア活動を通じて地域の新たな魅力を発信―
東京生まれの柳原さん。ディレクター&カメラマンをこなす映像のプロとして全国各地をまわり、協力隊になる直前は長野県でケーブルテレビ局に勤務していた。定年を前にこれまでとは違う仕事がしたいと、全国のアウトドア活動を主とする地域おこし協力隊募集のポータルサイトに登録。地域を今まで行ったことがなかった北海道、山形、秋田に絞ったところ、由利本荘市から連絡があった。コロナ禍のため、面談などはすべて電話だったが、担当者の熱意も感じて協力隊就任を決定、令和5年4月より活動を開始している。就任が決まって初めて由利本荘市を訪れることになったが、特に不安はなかったという。「自然環境に恵まれた由利本荘市で、アウトドアを中心とする観光情報を発信するという業務が自分の希望に合っていたし、今まで行ったことがなかった由利本荘市での生活にも魅力を感じて応募を決めました」と。
―地元の人が地元を知らない驚き―
秋田県と山形県にまたがる霊峰鳥海山を間近に望み、また日本海にも面する由利本荘市のロケーションは山も海も川も楽しめるアウトドアの魅力にあふれている。事実、市内には海に、山にと9つものキャンプ場があり、まずはそのキャンプ場を中心に、アウトドア・観光の魅力を発信する活動から始めた。写真や動画を撮影して編集し、「ゆりほんジョイ(https://yurihonjoy.jp/)」というサイトで公開する。「ゆりほんジョイ」は、キャンプ場情報を中心に、由利本荘市の恵まれたアウトドア情報をまとめて発信する専用のサイトで、協力隊2人が中心となって立ち上げ運営するサイト。
そんなサイトを立ち上げて情報発信を行った結果、地元の人から意外な反響があった。「あるのは知っているが行ったことはない」、「どんな場所かわからない」など。こんなに恵まれたアウトドア環境があるのに、地元の人はその恩恵を実感していないという事実だった。こんなことがあって、柳原さんは「まずは地元の人に施設や自然環境の良さを知ってもらうこと!」と、地元の方を主ターゲットに情報発信に力を注ぐこととなった。
ゆりほんジョイで紹介した由利本荘の美しい自然
―キャンプ場に来てみる!新たなイベント―
昨年秋と今年のGW、2回にわたってキャンプ場で新しいイベントを立ち上げた。その狙いを「愛犬と一緒にキャンプを楽しみたい人に来てほしかったから」と言う。会場に選んだのは「本荘マリーナオートキャンプ場」。マリーナに面し、周りを防風林に囲まれたロケーションで、適度なクローズ感もあり、また交通の便にも恵まれているキャンプ場だ。キャンプ場の営業期間は7月中旬から8月中旬の約一か月間なので秋とGWはオフシーズンだったのも使い勝手がよかったとのこと。
イベントは「わんわんキャンプDay」。自らキャンプが好きで、柴犬を飼っている柳原さんならではのイベントとなった。きっかけはペットと一緒にキャンプを楽しめる場所が近くになく、遠く美郷町まで行かないと一緒に泊まることができないことを経験したから。キャンプ場は原則ペット禁止のところが多く、ペットと一緒にキャンプを楽しみたい人は他にもいるのはずと考え、本荘マリーナオートキャンプ場のクローズ感がペットキャンプに適しているとも考えた。キャンプ場には寄贈された竹を活用したドッグランも設置。GWにはドッグランに慣れていない犬用のミニドッグランも設けて、人気となった。結果4日間の期間中18組のペットキャンパーが訪れ、また日帰りのキャンパーも訪れるなど、ストレスなくペットとのキャンプを楽しむ人たちで賑わいを見せた。遠く大阪からやって来た人もいた。
来年の任期終了に向けて、キャンプ場を活用したさらに新たなイベント「クラフトフェア」を計画中という。50のキャンプサイトに50人のクラフトマンを集めて、各サイトでオリジナル感にあふれたクラフト展を実施するというもの。「キャンプ場をステージに、アウトドアにプラスαの何かを加えた催しを行うことで、今まで来なかった人にも来てもらえたら」と話す。
-ゆりほん低山ハイクも発信開始―
最近は、ブームとなっている低山ハイクを紹介する30分の番組をシリーズで制作し、順次ゆりほんTVやユーチューブで配信している。低山ハイクの山はもちろん、山・海・川と自然に恵まれた由利本荘の魅力はまだまだたくさんあり、当分はどの魅力を紹介するか悩みも続きそうだ。
低山ハイクの制作シーン
低山ハイク動画の写真
―秋田での協力隊を考えている人へ―
そこの地域性をよく知ることが活動への近道。それを実感しています。まずは自分が動くために、キーとなる人、団体、組織、拠点を探し出せるかがポイントとなります。それが見つかると、自然に自分が何をすべきか、何が出来るか立ち位置が見えてきます。当然すべてがうまくいくとは限りません。壁に突き当たったらコミュニケーションです。何度も足を運び、距離を近づける。人との距離感が私の活動には大切だと思い、常に心がけています。
インタビュー日 令和6年6月13日
この記事に関するお問い合わせ
- 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
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