インタビュー

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プロフィール

仙北市地域おこし協力隊 東風平 蒔人さん(こちひら まきと)

○所属:仙北市 観光文化スポーツ部 交流デザイン課

○出身地:沖縄県那覇市

○活動内容:グリーンツーリズムの推進
      アクティビティガイド
      SNSによる魅力発信等


◎地域おこし協力隊になる前の経歴を教えてください。

 AIU(国際教養大学)の学生です。


◎具体的な活動内容はなんですか?

 グリーンツーリズム(田舎体験)を推進する(一社)仙北市農山村体験推進協議会にてツアーの受け入れ調整やアクティビティガイド等をしています。新たなアクティビティの企画、モニタリング、販売戦略の立案、PR等をしており、実際に私がガイドをすることもあります。

 夏は田沢湖でのサイクリングや電動キックボードを企画し、冬に特に力を入れているのが、去年から始めたスノーシューのガイド養成です。スノーシューは乳頭温泉郷で既に実施されていましたが、より身近に楽しんでもらえるよう、角館、田沢湖、上桧木内の市内 3 か所のコースを新たに追加しました。地元の方々にも副業として、ガイドを担ってもらっています。

 『本業×スノーシュー』など、彼らの本業を生かしたコンテンツを楽しんでもらう体験型のツアーを計画していて、来年以降の1~3月までにガイドチームを作り、予約が埋まるような状態にしたいです。

 その他、旅行会社に対して仙北市の魅力をPRする商談会にも積極的に参加しています。

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◎地域おこし協力隊になったきっかけはなんですか?

 学生時代にシェアハウスに住んだことで地域の人と触れる機会が多くなり、その時の生活が、勉強を含め、秋田の魅力にどっぷりつかる入口になりました。キーパーソンになったのは、冬に一週間快く泊めてくれた、仙北市の一般の家のお母さん。宿泊中に市内で様々な活動に従事している人たちを訪問していたのですが、ストレスなく気軽に受け入れてくれた環境が大きかったです。

 その時に知った場所と人とのかかわりあいを通じて仙北市で自分も活動をしたいと思うきっかけになりました。


◎いろいろな経験をしているようですが、まずは調べる派、行ってみる派どちらですか?

 実は、後者ですね。今までも自分の直感を信じて考えず突っ込んでいきました。それが結果、協力隊の仕事にもつながりました。ただ結婚と子供ができたことが、大きな変化になりました。これまでは興味の赴くままに旅をしていましたが、今はこの地に定住して、何か自分が残せるものがないかという考えに変わりました。


◎協力隊の退任後はどうするか決めていますか?

 県に点在している空き家の古民家を利活用して人が集まる場所として復活させたいと思っています。その第一弾として今年 4 月からは角館にあるかやぶき屋根の農家民宿の事業承継をします。

 今、農家民宿の経営者のお父さんお母さん方は、高齢の方が多くなっています。まだ少ない若い世代の経営形態も増えて欲しいですし、私のように親族以外の第三者による事業承継も進んでくれればとも考えています。将来的には組織的な取り組みとしてまとめていきたいです。

 自分自身子育てをしてみて、町全体で子供たちのあり方を考えていかなければと感じました。少子化が進む中、もっと多世代での交流や観光に来る子どもたちとの交流等、関わりの多様性を作り、そこにライフワークも絡めつつ『遊びをプロデュースして楽しませる』場所を作っていきたいです。

 まずは自身のスキルアップを図り、農家民宿の中で多世代交流のプログラムなど、色々とテストしていきたいです。県内トップクラスの観光地でありながら、まだまだ魅力が眠っている場所でもあるので、私も勉強しながら試行錯誤を繰り返し、魅力を発揮できるプレイヤーになりたいです。

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◎子育ての環境と、そこから見える解決策などはありますか?

 まだ生まれたばかりですが、今は社会性を育てることなどに難しさを感じています。少子化により子どもたちのコミュニティが少なすぎるし、そもそも 20 代 30 代の子育て世代が少ないので。そういったことの解決策としても農家民宿事業を絡めたいし、子どもたち大人たち含めた、キャンププログラムを作って仙北市の親子と他地域の親子との交流を図るような企画をやりたいです。ゆくゆくはその交流が発展し独自の「村」を築いていけたらなと思っています。

 

◎子育ても大きな軸になっているように感じますが、事業についての展望はありますか?

 はい、子どのも教育という点で、秋田の田舎は都会では学べない多くの経験が得られる場所だと思っています。古民家×野外遊び×人の交流を通じた『遊びと教育』のプログラムを磨き上げて、ブランド化していきたいです。「自分の子どもを秋田で学ばせたい!」と思えるような価値を作れるよう頑張ります。


◎事業のサポーターはいますか?

 大きな組織などはなく、妻や周りの知人などと、スモールスタートで始めています。協力隊の活動等で知り合った方々からは、直接的・間接的にサポートを頂いています。


◎事業開始時にぶち当たる壁、雇用創出、事業規模拡大等への助けとなる人材の確保などについて、計画はしていますか?

 まだ未熟で大きな計画はできていません。自分で事業を始めてみて、雇用を生むことの難しさも実感しています。

 まずは自分たちの生活基盤を作ることが大切ですよね。雇用創出もいずれチャレンジしたいですが、特にそこを急いではいません。しっかりとした土台ができていれば自ずと事業拡大の道が開け、結果的に新しい雇用が生まれると思っていますので、今は土台作りに全力を注ぎます。


◎活動内容が活発だと感じました。現在ベースとなっている隊員の給料がなくなった時の動き方は考えていますか?

 正直体が足りないくらいですね(笑)

 今は週末など合間を縫って並行して行動しています。宿泊業が今後の本業になるわけですがコロナだからお客が来ないなど、不測の事態下を脱却する策も考えなければいけませんし、売上高の向上策や方向性も考えていきたいです。


◎役場や地域に声はかけていますか?

 意思表示をしているからか、役場、農家民宿のみなさんなど、たくさんサポートいただいています。地域の人にもたくさんポジティブなお声掛けをいただいています。ですので、隊員を卒業した後の不安もまったくありません。


◎協力隊になりたい方へメッセージをお願いします。

 仙北市は先代隊員の努力のおかげで、地域への印象がとてもいいんです。

 そのため隊員と自治体とのトラブルが比較的少ないので、ストレスになりにくいです。自己実現が叶いやすい場所ですし、観光地でもあるので地域の受け入れ態勢が柔軟であるですから、安心して隊員になって欲しいです。


◎最後に、伝えたい活動の主軸をお願いします。

 新しい体験を想像して、自身もプレイヤーになりながら、周りにも参画してもらう。

 自分一人でできる範囲は限られているので、後々は市民全員がプレイヤーになってもらうのが理想です。これからも、みんなと一緒にまちづくりに関わっていきたいです。

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令和4年2月7日インタビュー実施。

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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