インタビュー

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プロフィール

上小阿仁村地域おこし協力隊 関係人口コーディネーター 折笠 昭宏さん(おりかさ あきひろ)

○所属:上小阿仁村

○出身地:生まれ横浜、幼稚園年長から茨城(10年以上在住)なので出身は茨城としている。

○活動内容:関係人口コーディネーター
      村内の特産魅力等の情報発信
      イベント企画運営


◎地域おこし協力隊になったきっかけはなんですか?

 東北には、家族旅行で来ていて、思い入れがありました。大学院卒業時NGOをたちあげ地域おこしの活動をしていましたが、法人化の際に IT の人が入ってきて次第に IT 企業のようになり、地域おこしから離れてしまったため、地域おこしに軸を置きたくて独立しました。大学院で六次産業化支援セミナーに参加したり、地域支援センターにも縁があったため、コロナ禍の状況をきっかけに地域へ、しかもどうせなら振り切りたかったので、村しかないと思いました。地域おこしをしていた仲間がみんな西へ向かったので、自分は北へ!と使命感に燃えて、山が好きなので農村に突っ込んでいきました。

筑波大大学院に行かせてもらい、学生、教授が面白い考えを持っている方しかいなかったので、カルチャーショックを受けて、もっと自由に生きていいんだと思いました。学生起業家も多く、ロボット産業が盛んで、名だたる起業家を輩出しているので、その近くで研究してたから自然と影響を受けました。両親が公務員志向で落ち着いた安定性を求めていたので、自分もそう思っていたが、様々な考え方、暮らしぶり見てこういうのいいなあとひそかに感じ始めていました。


◎飛び込んだ中での地域とのギャップはありますか?

 全部想定内でした。下調べをめっちゃするタイプで、事前に全部知っておかないと気が済まない。

 直接行けなかったのでネット検索しまくり、人に聞いたりもしていったので、そこまでではなかったです。

 大変な場面を想定して、自分がショック受けないように、地域おこし協力隊の悪い噂もすべて、ぜんぶ拾いました。


◎嫌なこと、不便なところはありますか?

 いやなことをいやなこととカウントしていない。きつく言われること、お叱りのコメントはありますが、愛あるコメントで、終着点は「村をよくしたい」という意見なので、いやなこととは思いません。

 また、不便を不便と思わないようにしています。あるもので、なんとかするサバイバル感が好きです。

 村に車を支給してもらっているおかげで、30分圏内でショッピングモールにも行けるので問題ありません。


◎村の課題はどんなところですか?

 技術、経験談など表に出さない人が多くてもったいないと感じます。工芸品にしろ、家に眠っているものも多く、すごいことをされてる方が多いので、可能な限り世に出せたらなと。ひとりひとりの技能が高く、何もないところから生み出す力があり、不便だからスペシャリストになっていくのだと思います。

 次世代への継承が課題で、当事者にもその気がないので、後世に伝えていく力が必要だと思います。

 また、集落が点在しているため、集落間の橋渡し役になれたらと思います。同じ苗字の人が多いので集落意識が強くなりがちだと思います。


◎地域おこし協力隊としてメインの活動を教えてください。

 関係人口コーディネーターという肩書なので、幅広いです。関わり代も無限大なので、そこから自分にできること、やれることを拾いながら関わっています。1 年目で、関わり代がどこに落ちてるかわからないので、誘われたところにはすべて参加しています。

 また、高齢化率日本一の村でスマホやパソコンを教えています。ゆくゆくは村のおばあちゃんおじいちゃん達がスマホを片手にSNSで村の魅力を発信していければ面白いなあと野望を抱いています。イベント開催については大々的な移住フェアが中止になった場合、村で完結するイベントの企画、運営が主になります。


◎業務をやっていく上での村の人とのかかわりはどんなところですか?

 役場にデスクはあるが、そのままだと関われないので会議、イベントなどは誘われたものすべていくようにして、かかわっていってお願いする、される関係をそこで構築しています。

 

◎面白い方とのエピソードがあれば教えてください。

 おモローなひとしかいない。みなさんおもしろい、よくしていただいています。

 村の方のお宅でご飯をご馳走になったり、小規模な飲み会にも呼ばれたり、みんなたくさん飲むので、アルコール消毒してもらっています。


◎村のお酒文化には慣れましたか?

 芋焼酎派でしたが、日本酒しかないので、シフトしていきました。重めのお酒しかおいてなく、軽くてビールぐらい、あとはどんどん日本酒で、つまみも美味しいので飲んじゃいます。わりかしすっと入れる性格なのか、慣れました。

 いただきものが多くて、前職がデジタル支援なので、そこらへんと肉体労働でお返ししていますが、Give&take でいえば、ギブしてもらっていて、返しきれていませんね。


◎COKs(コックス)の活動について教えてください。

 他市町村連携で、北秋田市、大館市、上小阿仁村、鹿角市、藤里町、八峰町、能代市の7市町村9名の協力隊で活動中です。各市町村の特産品を使って PR するイベントを企画・運営し、チーム名を作って、事業化しました。特産品を PR することで、協力隊が外部へ行きやすくなるようにと考え、県北のみならず、県南支部、秋田県全域の活動になればいいと思っています。

 メンバーの一人が地域おこし協力隊の活動に関する条項を読み解いてくれ、上司に相談しやすく、協力隊の活動として認めてもらえるように工夫しました。関係性に関して恵まれたと思います。他にもイベントの打ち合わせ、キーパーソンに引き合わせてもらったりしたことで人脈が広がっていき、ラジオ出演の影響もあって、普段会えない県南の協力隊にも会うことが出来ました。

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◎任期後の活動について教えてください。

 たくさん要望いただいているので、軸をどこに持っていこうかと思案しています。

 期待とともに、定住率の低さから帰っちゃうんでしょという声があるのが寂しいので、村に定住したいアピールしていきたい。IT 関係のお手伝いとして小学校の ICT 支援、スマホ教室などやっていきたい。スマホ・パソコンの販売代行なども考えている。観光が弱い村なので、その担い手として関われたらと思います。


◎村の中で盛り上げていきたい若手はいますか?

 若手が村で働いておらず、村おこしに参加しきれていないので、高齢者の方しか「やるぞ!」という人がほとんどいないところが課題です。村の雇用先の一つを作っていくとか、村で完結できるようにできたらいいなと思っています。


◎じゃあもう村長ですね?

 そうですね、お声はかかってますけどね。村長になってくれとか、議員になってくれとか。


◎協力隊になりたい方へメッセージをお願いします。

 たくさん下調べしたのはあるけど、まずは飛び込んできてほしい。最低限調べたうえで、悩まずに、イメージ先行が多いですが田舎は実際に来てみないとわからないので、悩んでるよりは来た方が早いのではと思います。

 下調べのコツは、自分が外せないポイントを書き出して、それに関わるワードを検索していくことです。そこは自分主体で、わがままに、自分のことなので、後悔しないように。他人に言われてなる人はいないでしょうから。

令和4年2月2日インタビュー実施。

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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