インタビュー

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プロフィール

大館市地域おこし協力隊 移住プロデューサー 藤田 雄佑さん(ふじた ゆうすけ)

○所属:大館市 交流推進課 交流推進係

出身地:秋田県大館市(田代地区)

○活動内容:移住プロデューサーとしての相談窓口業務や地域の情報発信など


◎地域おこし協力隊になる前の経歴を教えてください。

 前職は菓子製造業勤務(パティシエ)です。


◎地域おこし協力隊になったきっかけはなんですか?

 埼玉でパティシエをしていましたが、職場環境に違和感を覚えて地元に帰りたいと思うようになりました。しかし、仕事について調べる内に大館市の飲食店での雇用はかなり厳しいことが分かってきました。いっそ農業への転職も考えましたが、地域おこし協力隊の制度を知り、3 年限定ではありますが地域で活動するのも良いかと思ったことがきっかけです。その 3 年間で任期卒業後の身の振り方を考えようと思いました。


◎協力隊の退任後はどうするか決めていますか?

 起業する予定です。菓子教室ではなく製造業としてパティシエをやっていきたいと思っています。オンライン販売などで販路を外部に広げていかないと利益が確保できないので、県内のみでの商売はこの先かなり厳しいと感じています。また、県外での商売となると他県の同業他社がライバルになるので、いかに顧客にアプローチできるかが課題だと感じています。

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◎任期終了後に起業したいと思ったきっかけは何ですか?

 大館でSNSを通してこのケーキはどこで買えますか?という問い合わせが思ったよりも頻繁にあったのと、知り合った人やパティシエ時代の知人からも起業したほうが絶対にいいよ!と後押しいただき、事業にしても何とかなりそうだと思ったことがきっかけです。地域で応援してくれる人も出てきて、起業してみようと思えるようになりました。

 実際に事業計画で数字を出したり、戦略を考えていると頭が痛いこともありますが、やるからには絶対に成功したい気持ちがありますね。妻と 1 歳の息子もいますので、背水の陣のような気持ちもあります(笑)


◎起業後の目標はありますか?

 大きな目標かもしれませんが、年商 1 億円以上の事業に育てたいです(笑)働く人にちゃんとした給料を出すことや、新しく何かにチャレンジする人の力になってあげたいと思っています。そのためにはまずしっかり稼がないといけないので、都度、経営戦略を組み立て、確実にステップアップしていきたいと考えています。

 他にやりたいこととしては、材料は地元産のものを積極的に使うことで地域の活力を底上げできればと考えています。また、今現在は起業時のメイン商品となるショコラ 4 種類をPRしていきたいと考えており、それぞれ五城目ラズベリー、男鹿塩、上小阿仁ほおずき、大館枝豆を使用した商品となっています。この商品を育てることで、秋田県自体の情報発信にも繋げられればと考えています。

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◎3 年間の協力隊任期中はどういったことをするのが大事だと思いますか?

 横の繋がりを作ることが大事だと思います。自分の場合は起業するので、特にそれが大事でした。繋がりを作るためには行動あるのみだと感じています。私の場合は新聞で見かけて、連絡を取って気の合う人と出会い、市町村の壁を越えて一緒に仕事をすることもありました。


◎繋がりが活きていると思うことはありますか?

 もちろんあります。北秋田市の協力隊の斎藤美奈子さんが新聞で見て連絡を取った相手なのですが、その縁で市を跨いでイベントをしたりすることもできました。他の地域の協力隊も巻き込んでCOKs(コックス)※として活動できているのはとてもいい刺激になっています。

 また、現在起業準備中なのですが、横の繋がりで面白い材料を提供して貰ったり、自分からもこの人に仕事を依頼したい!と思いデザインをお願いするなど、個人的なところでも繋がりが活きてきますね。

※COKs(コックス)

2020年12月に始めたスイーツ作りのイベントが1年続いたのを機に、食を通して地域の垣根を越えて他地域の協力隊や地元との結びつきをより強める狙いをもって活動している団体。現在は鹿角市、大館市、北秋田市、上小阿仁村のそれぞれの協力隊が参画している。


◎COKsをやっていて良かったと思う事は何ですか?

 まずは気の合う仲間が市外にもできたことです。協力隊として移住してくると、どうしても市内で仲間を探しがちなのですが、市内だけでなく市外にも仲間がいるということは精神的な支えになります。大館市から市外に外出できるいいきっかけにもなるので、これから協力隊になる方が自由に外に出るための環境づくりにも役立っていればいいなと思います。


◎地域の課題だと思うことはありますか?

 地域活性をそれぞれ都合良く解釈しているように思うことです。地域活性に対しての意識の持ちようはあくまで個人主観のものでしかないので、それを擦り合わせて同じ方向を向くのは相当大変だと思います。またそれぞれの意見を擦り合わせた結果、突破力のない気を遣ったものになり、空中分解する可能性が高いと感じます。まずは本当に気の合う仲間を見つけて、少数精鋭で現状打破を試みるのが良いと思います。それがなかなか難しいんですけどね。


◎協力隊になりたい方へメッセージをお願いします。

 自分に何のスキルがあるかとかで卒業後について悩むことも多いと思いますが、協力隊は自分の生き方を再形成するいいチャンスです。人と出会う事で生き方の再形成ができますので、たくさんの人と会う機会を作ることで自分の幅を広げて欲しいです。そういった出会いの中で自分の軸を磨き、最終的に人に依存しなくても大丈夫な自己形成が大事だと考えています。地域で多くの人と関わっていると理不尽な目にあったり、凹むこともあると思いますが、軸があることで立ち直れたり、他人に必要以上に依存しない精神が身につくと考えています。

 そのうえで気の合う仲間と出会うことができたら、それはこの上なくハッピーなことだと思いますので、挫けずに人との関わりに挑戦し続けて欲しいですね。

令和4年2月3日インタビュー実施。

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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