プロフィール
北秋田市地域おこし協力隊 移住コーディネーター 斎藤 美奈子さん(さいとう みなこ)
○所属:北秋田市 総務部 総合政策課 移住定住支援室
○出身地:神奈川県相模原市
○活動内容:移住促進活動 主に、
1. SNS などを活用し地域の暮らしやイベント情報の発信
2. 地域のイベント企画・主催
3. 地域の特産品開発
◎地域おこし協力隊になる前の経歴を教えてください。
前職は飲食企業にて勤務していました。
大学卒業後、都内の飲食企業に入社し、その後は国内で店長経験を経て 2015 年に念願だったアメリカ・サンフランシスコ支店へ転勤しました。2019 年に退職し、スペインへ料理修行のため単身渡航しましたが、2020 年 6 月に新型コロナウイルスの影響で日本帰国を機に秋田県北秋田市への移住も決めました。2020 年 7 月より現在の協力隊として活動しています。
◎地域おこし協力隊になったきっかけはなんですか?
きっかけとなったのは、やはり新型コロナウイルスの影響でした。
当時、スペインのサンセバスチャンというエリアにあるレストランに勤務していましたが、新型コロナウイルスの影響で海外で身動きが取れなくなり、日本への帰国を決めました。その時に暮らしていたエリアが、山に囲まれていてとても自然豊かな場所だったので、帰国後に田舎暮らしをするならと考えた中で、自分の興味や好きなことを思い浮かべたところ「温泉、自然、日本酒、比内地鶏、きりたんぽ、いぶりがっこ」などのキーワードが頭にパッと浮かび、秋田県一択でした。そこで、秋田県内で仕事を探した際に「地域おこし協力隊」の募集を見つけ応募しました。
◎具体的な活動内容はなんですか?
大きく2つあります。1つは、北秋田市への移住促進活動です。具体的な業務としては、県や市主催の移住相談会へ参加し実際に移住を検討している方や興味がある方のお話をお伺いしたり、移住希望者の方が実際に北秋田市へ移住体験に来られた際に市内のアテンドを行います。あとは、SNS を活用した、市の情報発信がメインとなります。2つ目は、自身の定住に向けた活動です。協力隊退任後も視野に入れながら、自身のスキル、知識を増やし活動幅を広げていくことです。具体的には、「食を通して、北秋田に新しい人の流れをつくる」ことを自身の活動テーマにし、Youtube なども活用しながら北秋田の食の情報発信や食に関するイベントの企画・主催、そして今年は、いよいよ商品開発にもチャレンジしています。
◎地域(北秋田市)について事前に下調べはしましたか?
実は、移住するまで秋田県に来たこともなく、下調べもほとんどせずに移住しました。
これは、私の性格的なところもあるのですが、新しいことにチャレンジする際、不安よりもワクワク感が勝り何事もポジティブに捉えられるので、良くも悪くも入念な情報収集はあまりしないです。
◎先ほどの具体的な活動内容とは別に、秋田県内の協力隊と共同で COKs(コックス)という4人チームで活動されていますが、発足のきっかけはなんですか?
きっかけは、大館市の協力隊でもあるパティシエの藤田雄佑さんとの出会いでした。
私が協力隊になった頃、食関連のイベントを小規模でも開催したいと想いながらも、新型コロナウイルスの影響で地域の恒例行事やイベントなどが軒並み中止となっていた時期でした。その時に、藤田さんと出会い、同じ「食」に興味があるということで、ぜひパティシエでもある藤田さんとお菓子づくりのイベントを開催したいと思いました。そこから話がとてもスムーズに進み、出会って1ヶ月後にはイベントを開催していました。そのイベントが「パティシエに教わるスィーツづくり」でした。その後、近隣の市町村の協力隊にも声をかけながら、仲間も増えてい来ました。現在は、上小阿仁村の折笠さんが中心となり COKs の活動を運営してくれています。
※COKs とは
◎退任後はどうするか決めていますか?
現在の活動拠点場所となっている、「阿仁比立内がっこステーション」の運営に力を入れて行きたいです。
北秋田市に残りたい想いももちろんありますが、移住当初から日本半分、海外半分のライフスタイルを確立して行きたいという目標もあるので、退任後は北秋田をベースに海外にも活動拠点を作って行きたいと考えています。その中で、阿仁比立内がっこステーションという場所は、今後、国内外の様々な人の流れが新たに生まれる場所にして行きたいと考えています。
具体的には、発酵×薬膳カフェの開業、秋田県全体での特産品開発や、商品プロデュース、国際交流事業などを行っていく予定です。
※阿仁比立内がっこステーションとは
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◎北秋田市に定住したいと思うようになったきっかはありますか?
個人的に「定住」とい言葉が好きではないので、あまり使いたくないのですが、約2年間生活して来た中で、ここで暮らしたいと思えたのは「地域の人」の存在と、様々なことに「チャレンジできる環境」があったことでした。私にとって、とても居心地がよく相性が合うまちだと感じています。
◎生活する上での不便さはありますか?
この2年間生活してきましたが、現状「全くない」というのが回答です。30 代になってから欲しいものよりも、いらないものほうが増えてきたのも理由の一つです。ネット環境さえ整っていれば、仕事も情報も娯楽も十分にことが足りています。ただ、郷に入れば郷に従えるタイプではありますが、強いて言うならゴミ袋に名前を書かないといけないという市のルールは本当に嫌です。都会からくる若い女性であれば、ほとんどの人が嫌がることだと思います。
◎地域の課題だと思うことはありますか?
課題は沢山あります。ここの北秋田市に限ったことではありませんが、空き家問題、廃校の利活用課題、少子高齢化問題、秋田内陸線の利用者減少問題など。ですが課題の分だけビジネスチャンスはあると言われているので、その地域課題にしっかりと目を向けて、課題解決に取り組んでいくことがこの土地で暮らしていく意味が私にはあると感じています。
◎女性として結婚や出産の予定について聞かれたことはありませんか?
「あります」。相手側も悪気が無く聞いてくるのだと理解しているので、私の中での定型文はできていますし、またこの質問かくらいの感じです(笑)。ただ、この場をお借りして言わせてもらうと、私は結婚願望もないですし、出産の予定はありません。あくまでも今現在の話ですが。それに、結婚するために移住してきた訳でもなければ、出産するために移住してきた訳でもありません。それ以前に、自分の人生において、心身ともに充実した暮らしを実現するために移住してきました。なので、まだ関係性ができていない間柄で「定住するの?」とか、「結婚は?出産は?」とかはなるだけ聞かないでいて欲しいです。色々なバックグラウンドがあると言うことを理解してもらえたら嬉しいです。
◎地域の方とのお話などで方言に苦労することはありませんか?
「あります!とっても(笑)」。私がいま暮らしている北秋田市の阿仁と言うエリアは特に方言や訛りが強いと思います。それでも、生活に困るほどではないので、同じ日本語のはずなのに不思議だなと思いながら、それも田舎暮らしの一つの面白みだと思っています。
◎協力隊になりたい方へメッセージをお願いします。
協力隊の任期は3年間です。あっという間に過ぎることを念頭に、ある程度の3年間プランは見立てて協力隊になることをおすすめします。それから、各自治体によって活動の自由度やサポート体制が異なるので、協力隊にご興味がある方は、県内の中でも市町村ごとの募集要項をしっかり見比べて、問合せしてみるといいと思います。
◎他にも伝えたいことがあればお願いします。
移住したらそこに定住しなければいけない訳ではなく、自分にとって居心地の良い暮らしかたは何かを協力隊を通して見つけられたら良いと思います。ただ、私にとって「地域おこし協力隊」は自分自身の今後の人生における新たな可能性とチャンスが大きく得られたきっかけとなったことは間違いありません。
令和4年2月8日インタビュー実施。
この記事に関するお問い合わせ
- 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
- 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
- Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871