インタビュー

「のんびり暮らしたい」が、大好きな町に役に立ちたい気持ちへ

プロフィール

にかほ市地域おこし協力隊 石井智代さん(活動期間:2022年5月〜)

○所属:にかほ市商工政策課ふるさと創造班

○活動内容:移住リエゾンとして移住希望者や移住者をサポート

○出身地:岐阜県岐阜市


―10年以上の思いを鳥海山の麓で実現―

石井智代さんご夫妻は、揃って登山が趣味。首都圏に住んでいた頃、毎週末のように登山に出掛けては、帰りの渋滞に巻きこまれ、自然に癒されに行った自分たちが排気ガスを排出し自然を汚していることに疑問を感じていた。山の近くに住む人が羨ましく、いつかは自分たちも自然豊かな理想の地方暮らしを!と10年以上も思い続けた。

山野草が好きで、山野草が豊富な東北の山に向かうことが多くなった。飯豊山をはじめ福島や山形などを回り、そして訪れた鳥海山で運命の出会い。鉾立登山口から見下ろした日本海へと続く美しい麓の景色。登山しに来たのにしばらく日本海を望む麓の景色から目を離せなかった、と笑う。自然と調和した暮らしを思って10年、初めて“ここに住みたい”と感じた場所に出会えた。

夫婦で鳥海山の麓に住もうと気持ちが決まり、家探しがスタート。遠方に住みながら探すのは苦労したが、「移住リエゾン」が代わりに物件を確認しに行ってくれたり、地元ならではの情報を教えてくれたりと心強いサポートをしてくれた。

令和4年度移住リエゾンの仲間と


―自分のこれまでを活かせる移住リエゾン―

そして、家探しと同じくらい大切な職探し。見つけたのは自らもお世話になった、にかほ市地域おこし協力隊 移住リエゾンの募集。先輩移住リエゾンが地域の人々に溶け込み、自分にも様々な出会いを提供してくれたことが移住決断に大きく影響し、素敵な仕事だと感じていた。自身のこれまでの仕事も人との関わりを業務とし、人の人生に関わらせてもらっていたとの意識もあり、その経験が活かせるとの思いで応募を即断。現在その業務に励んでいる。

地域のどこにどんな人が活動しているか、どんな施設や行事、イベントが行われているかなど地域に根ざし、地域の人々と交わり、地域の情報に精通している必要がある業務だ。石井さんはかつて地方移住を考えたとき「のんびり暮らしたい」と思っていたが、この業務についてからは一転「大好きなにかほのために、役立つことができる」と思って臨んでいる。令和5年度はすでに15組の移住体験ツアーのアテンドを行っており、移住希望者は増加しているとのこと。

 

-地域との関わりで叶う豊かな生活―

移住希望者や移住者には、その人の興味ある分野で活動している地域の方や地域にもともと根付いている林業、農業、漁業従事者をはじめ、先輩移住者を紹介している。また、そうした繋がりを作ることで、交流イベントや移住者、地域の方とのコラボ企画の運営、地域の魅力情報発信にも注力している。今後は日本海沿岸に暮らす魅力の一つであり、移住者のニーズの多い「釣り」をベースにした他地域とのコラボイベントなども企画中。

また、移住後の夢であった自然農での家庭菜園。地元でパーマカルチャーを始める方たちと知り合うことができ、今年一緒に自然栽培での畑づくりをスタートした。無農薬の野菜作りに興味のある移住者にも声をかけ、お仲間増加中とのこと。この畑は移住者たちが野菜作りを始めるきっかけとなったり、プロの農家さんや地元の家庭菜園をしている方と交流する場ともなり、都会では経験できない場となっている。

移住者の協力を得て作成したPRポスター

移住体験ツアーの様子


―任期後は人が足を運ぶ理由となる場所づくり―

限界集落のような場所でバードウォッチングカフェを開きたいという夢がある。移住前は趣味の発酵をいかした「発酵カフェ」をしたいと思っていたが、活動をする中でその意味付けが変わってきたと言う。

地域の存続のために頑張る人たちと関わり、地域の課題を解決するために必要なことは何かを考えた結果、「人が足を止めることができる場所、立ち寄ることができる場所、足を運ぶ理由になる場所」が必要だという思いが生まれた。そこに、自分がそもそもやりたいと思っていたことを掛け合わせたい。その実現のためには地域の理解や協力も必要になると感じているところだ。

移住者と地域住民の交流イベント

映画上映会も開催


―この地が好き。どんなことも楽しむ。この2つが一番大切―

都会に住んでいる頃は近隣との付き合いも面倒だと思っていたが、地方移住では、暮らす人と関わるのが楽しい。そして、良い関係性を築くには、自分の想いを大切にすると共に、ここで暮らしを営んできた人々への配慮も大切だと思っている。そして、自分はここが好きという思いがなにより大切。

自分を知ってもらい、信頼貯金を重ねたら、「ここが大好きな私」がやりたいことに協力してくれる人はたくさん居てくれる。

自分の価値基準と違う様々なこととの関りも刺激や学びだととらえて「楽しむ」ことを忘れなければ、悩みは生まれないように思っている。

 

移住者と地域住民の交流イベントにはこんなにたくさんの人が!

2023年9月29日インタビュー実施。

湯沢市 地域おこし協力隊 古賀 恵理子さん                        (活動期間:2020年4月1日〜)

PRとデザインの力で地域のブランディングに貢献する
大潟村地域おこし協力隊 明平 冬美(あけひら ふゆみ)さん
(活動期間:2021年10月〜)
○所属:大潟村総務企画課
○活動内容:地域資源の価値創出、関係交流人口の創出と拡大・イベントの開催、秋田県立大学との連携強化
○出身地:秋田市

この記事に関するお問い合わせ

  • 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
  • 〒010-8570 秋田市山王4-1-1
  • Tel:018-860-1234 Fax:018-860-3871

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