特殊伐採、積み重ねた経験で出会えた今の仕事
プロフィール
元鹿角市地域おこし協力隊 早川 航さん(活動期間:2015年7月~2018年3月)
○現役時代の所属:鹿角市総務部政策企画課
○活動内容:移住コンシェルジュ
○出身地:宮城県仙台市
より多くの時間を家族と過ごすために
早川さんが仙台市から鹿角市に移住したのは7年前。鹿角市に来る前は仙台市で会社員として働いていたが、2011年に東日本大震災を経験。「1ヶ月くらい帰宅できず、家も被害を受けました。その時に、農業や物を作る仕事に興味を持ちましたね。地方の暮らしにも目を向けるきっかけになりました。」
翌年から奥さんの出身地である鹿角市に遊びに行くようになった。何度か訪れていく中で、自然に囲まれた暮らしや、田畑の景色がとても新鮮に見えた。そして、娘さんが産まれることもきっかけとなり、家族との時間を増やすために地域おこし協力隊として移住を決意した。
理想通りの生活はできているかと伺ったところ「忙しいけれど、1日家で仕事もできるので家族との時間は取れています。」と早川さん。
特殊伐採をメインの仕事に
協力隊時代は、移住コンシェルジュとして活躍した。2年目には元々興味があった農業をスタート。当初は、規模が大きい家庭菜園のような形で始めた。
任期満了後は農家としてミニトマトなどを栽培していたが偶然に特殊伐採という仕事と出会った。特殊伐採とは高木を根本から倒さず伐採する技術のこと。早川さんは特殊伐採に必要な資格を取得して、今ではこの仕事がメインになっている。
「今は、妻が中心になって農業を行なっています。自分は特殊伐採がメインになっていますね。10月〜4月が繁忙期で、約10キロある装備を担いで木に登って支障木を切るんです。特殊伐採を行なっているグループが県に1つしかなく、自分も始めたところ、ありがたいことに雪崩のように仕事がきました。ここに来なければ出会わなかった仕事ですね。」と早川さん。

特殊伐採を行う早川さん
積み重ねた経験を次へ繋ぐ
「会社員時代、経営も学んでいたので今は農業のコンサルティングの仕事もしています。鹿角市では移住して農業を始める人や、若手の新規就農も増えているんです。若手グループもできたので嬉しいですね。」
早川さんは、会社員時代に培った経営の知識、地域人脈、農業での経験や知識を若手に伝えている。移住者やチャレンジしたい人にとって、経験や知識を惜しみなく教えてくれる人がいることはとても心強い。
これから協力隊に挑戦したい人へ伝えたいことを伺った。
「自分もそうだったけど移住すると、文化や考え方も違うので今までにない新しい世界が見えてくるはず。大変なこともあると思うが、少し我慢もしながら、焦らず頑張ったら自分が特殊伐採と出会ったように、それぞれ生きる道が見えてくると思います。任期の3年間はあっという間で、難しいことや嬉しいこと色々体験するはず、自分の世界を広げるきっかけになるし、偶然の出会いも沢山あると思うので存分に味わってほしい。」

伐採してきた木は薪ストーブの燃料として使われる。より仕事の幅を広げるために、今も新たな特殊伐採の資格を取るために勉強中だそう。
2022年11月16日インタビュー実施。
この記事に関するお問い合わせ
- 秋田県 あきた未来創造部移住・定住促進課
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